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美しく羽ばたいて

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トントン、と音がして、
「すずめ?」と、
すずめの母と父が入ってきた。

「母ちゃん!」

こちらも連絡もらってすぐ来たようだ。


「フフ、大輝くん、困ってるわね。」

「え…」

「どうせ腰さすったけど
違う!とかって
言われたんでしょう?」

「なんでそれ…」

「出産あるあるよ。」

すずめの母が笑って言った。

なんだそりゃ。


お義母さんがすずめの腰をさすると
「あ~~いい~~」と
すずめは気持ちよさそうにする。

なんでだ?!


「まぁ、大輝くんはうちの人と
コーヒーでも飲んできたら?
まだまだこの様子だと生まれないから。」

「はぁ…」

大輝は義父と一緒に
院内のカフェコーナーに向かった。

カフェコーナーの前に
新生児室があって、
生まれて一週間に満たない赤ん坊が
並べられていた。

「ちっせぇ…」

大輝がつぶやくと、

「すずめはデカくてなぁ。」

「え?」

すずめの父が語り始めた。


「こうやって並べると
他の赤ん坊より一回り
すずめはデカかったんだよ。」

へぇ…

「しかもブサイクでな!」

「なんだろ、むくんでるって
いうのかな。パンパンで!」

「ブハッ」

大輝は想像して笑ってしまった。


「こんな娘じゃ愛されねえな、
可愛そうだなぁ。
って生まれた時は思ったんだが…」

「大輝くんがいてよかったよ。」


「え…」


「すずめは強そうに見えて
いろいろ考えすぎるし、
親としては子育てなんか
できんのかなって思うけど、
二人でするもんだからさ。
すずめを支えてやってよ。」


「はい…」

義父の言葉を受けて、
大輝も話し始める。


「オレも…未知のことで、
今だって腰さするのさえ
満足にできなくて…」


「あ~~俺も俺も!
俺なんて母ちゃんに、
二度と触んじゃねえって
怒鳴られたんだぜ?!」

お義父さんは、
当時を思い出して
憤り出した。

「そうなんスか。」

オレだけじゃなかった…

大輝は続けた。

「ああやって苦しんでるのも
満足に助けてやれないけど、
それが必要な苦しみなら
少しでも分け合って
一緒に乗り越えられるように
なってこうって思いました。」

大輝がそう言うと、

「いやぁ!イケメン!!」

「は?」

「諭吉や母ちゃんから
聞いてはいたけど、
ホント大輝くんは
イケメンだね!」

「いや、あの…」

お義父さんのノリは、
なんて応えたらいいか
わからなくなる。

「ホントにすずめでいいの?」

ボソッとお義父さんに囁かれ、

「いーんです…」

とだけ返した。


作品名:美しく羽ばたいて 作家名:りんりん