変化と不変
「ん。」
大輝がすずめにドアを開けてやる。
「ほら貸せ。」
大輝がすずめの靴を持って
下駄箱に入れる。
「おい。」
大輝がすずめにおしぼりを渡す。
「美羽、ほら。」
大輝が美羽にご飯を食べさせる。
大輝のすずめへの
フェミニストぶりと、
イクメンぶりに、
女子はみんな顔を見合わせる。
「あの馬村君が...。」
「与謝野さんって何者?!」
「どうやってあそこまで
育て上げたの?!」
ヒソヒソと話す声が聞こえる。
アイツは馬の
調教師かなんかか。
大輝は面白くなかった。
「なんかすごいね。」
ツルがこの女子の騒ぎっぷりに
ビックリする。
「まぁ、ほとんどがまだ
結婚してないし、
なんたってあの馬村の結婚って
そりゃもうカモだよねー。」
カメは喜んでいる。
「亀吉…お前これ狙ってただろ。」
「ふっふっふ。
こんな盛り上がりネタ、
幹事の私が逃がすわけないでしょ?!
もう一つ仕込んでるから。」
「は?何だよ。」
「今バラしたら
仕込みにならないじゃないよ。」
「じゃあ仕込んだとか言うなよ。」
カメは不敵な笑いを浮かべ、
大輝はため息をつく。
が、すずめが嬉しそうなので
自分も美羽の世話をしながら
チビチビお酒を飲み、
ま、アイツが喜んでるなら
いいかと思っていた。
美羽はというと、
大人に沢山可愛がられ、
箸袋や箸置きなど、
そこにあるもので遊んでもらい
キャッキャッと喜んでいた。
ガラガラガラ!
いらっしゃいませーーー!!