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勝負

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美羽はトテトテと走って、
年長さんから手作りの
メダルをもらってご満悦だ。

ゲートのところでは
お菓子ももらって、
「ようちえん、楽しい!」
と、ホクホクしている。


やることやっちゃったし、
帰ろうか、としていると、

「与謝野さん!馬村くん!」

とハァハァ走ってくる
矢田の姿があった。

「あれ?矢田…?」

「ここの先生なんだって。」

「へぇ。」


ハァハァとすずめ達の前に来て、
矢田は「保護者競技に出てくれない?」
と言った。

「はぁ?」

園児が少ないので
親が出る競技もいくつか
組み込まれていて、
希望者で競技をするのだが、

お母さん達の障害物競争と、

お父さん達の紅白リレーで、

人手が一人ずつ足りず、
園児の親で出たがる人が
もういないので、
未就園児の親から、
って話になったらしい。

「ねっ!お願い!!出て?」

矢田が手を合わせると、
すずめは
「やる!」
と即答した。

「オイ…」

「馬村くんは…?」

「オレはいいよ…
悪いけど他あたって…」

と大輝が言いかけると、

「美羽、お父さん走るの、
みたいよね?」

すずめがすかさず美羽に言う。

「え~?お父さん走るの?
みたーい!!みたい、みたい!」

「ほら!私も久しぶりに
見たいなぁ。」

「~~~~~~」

愛する妻と娘にこう言われては、
大輝も折れるしかない。

「わーかったよ。
出ればいいんだろ。」

「!!ありがとう!馬村くん!」

矢田の顔が明るくなった。


「言っとくけど
ずっと運動してねえから
期待するなよ。」

今度はすずめに言う。

「大丈夫!毎年何人かは
足もつれてコケるから!」

矢田がそう言うのを聞いて
やっぱりやめればよかったと
大輝は走る前から少し後悔した。

作品名:勝負 作家名:りんりん