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勝負

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午前中最後のプログラムが、
お母さん達の障害物競走になっていて、

網をくぐったり、
粉の中にある飴を口で拾ったり
なかなか醜態をさらす競技になっている。

「おかあさーん、ばんがれー!」

美羽はワクワクしていた。

「美羽、お母さん、一番とるよ!」

と、すずめは親指を立ててみせる。

パァン!と鉄砲の音が鳴って、
すずめはバビュン!と走った。

難なく網をくぐりぬけ、
平均台も跳び箱も
園児用なので小さくサッサと抜け、
粉の中に躊躇することなく
顔を突っ込んで飴をゲットし、
一番でゴールに入った。

「やったぁ!お母さん一番!!」

美羽はキャァキャァと興奮している。

すずめが後ろを振り返ると、
まだ一緒に走った人が
跳び箱を飛べずにお尻をついていたり、
粉の中に顔をいれられず、
苦戦していた。

すずめの顔は下半分が
真っ白だった。

「プッすげぇ顔。」

大輝はすずめの顔がおかしくて、
他のお母さん達と比べて
その躊躇いのなさが面白くて、
珍しく笑いがとまらなかった。


「やった、やった。
ほら!海苔!
参加賞に海苔もらったー!」

すずめは走れた上に
海苔までもらえて
大満足である。

「いいから顔洗ってこいよ。」

大輝はタオルを手渡す。

「え?顔すごい?」

「お母さん、サンタさんみたい!」

すずめはトイレで鏡を見て
「わっこれはすごい。」
急に恥ずかしくなった。

だからずっとクスクス
笑われていたのか。

「出たくない人が多いのわかるな…」

とつぶやいた。

作品名:勝負 作家名:りんりん