ジュリエットの幸せ
その日は幸いゆゆかの体調もよく、
みんなでおじさんのご飯を食べ、
猿丸や土牛の友人たちが一芸をして
普通の披露宴のように楽しんだ。
そして最後に土牛が
新郎挨拶をした。
「こんなサプライズを
仕掛けてくれる
友人や家族に囲まれて
僕もゆゆかも驚きとともに
幸せな気持ちでいっぱいです。」
「ロミオとジュリエットは
二人が出会ったきっかけなので
いい思い出になりました。
本当にありがとう。」
「これからの人生も
お腹の子と三人で
幸せになりマース!」
えっっ!?
あっ!!!
「センパッそれ言っちゃ…!」
と思ったが早いか、
バチコーン!と
ゆゆかは土牛に
ビンタを飛ばした。
「お腹の子…?」
両親に言ってなかったので、
周りがざわめく。
「あのっこれは…」
ゆゆかが焦ると、
「でかした!ゆゆか!」
とゆゆか父が言い出した。
「へ?」
「孫ができるなんて嬉しいよ。
なぁ?皆川さん。」
「楽しみですねぇ!!」
お互いの両親も歓迎ムードで
順番など全く気にしていなかった。
「え…?いいの?これ…」
「気にすることなかったでしょ?」
土牛がゆゆかにウインクした。
あとで聞いた話では、
ゆゆかは黙っておこうと言ったが
土牛は一人でゆゆかの家に
順番が逆になったことを謝罪しに来て
ゆゆか父に実は一発殴られたらしい。
自分の親にも。
なんで結婚式をしたがらないか、
というのも、そこで
自分のせいなんです、
と伝えたらしい。
その後サプライズ結婚式の
話が持ち上がり、
ゆゆかの父が
土牛に相談したので、
実は土牛は知っていたのだ。
「知らなかったの
私だけ…?!」
ゆゆかがワナワナしている。