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トランキライザー すずめside

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数日後、やっぱり
なかなか会えないので、
こっそり家を抜け出し、
馬村のバイトが
終わる時間を狙って
会いにいく。


「まだかなぁ…」

五月といえど、
夜はまだ少し冷える。

そして0:30って
意外に怖い…

酔っぱらいも多いし…

馬村、早く出てきて…


あっ!あのヘッドフォン姿!

私は駆け寄って

「馬村!」

と声をかける。

「うわ!」

「オマエ、どうしたんだよ!
何かあったらどうするんだ!」


いきなり怒られてしまった。

「だってずっと会ってないから
顔が見たくて…」

そう素直な気持ちを伝えると、

「こっち来い!」

と、どこかに連れていかれる。

ここ…公園?

そしてすぐに
ギュッと抱きしめられる。

あ…馬村の石けんの匂い…

はぁ。

心に張り付いた氷が
溶けていくみたいだ。

「落ち着く…」

「は?」

私が呟いた言葉に
驚かれてしまった。

「馬村の顔を見ると
落ち着く…
あと石けんの匂いも。」

変…かな?

でも一緒にいると
温かくなるんだ。