トランキライザー すずめside
「送る。」
そう言われて、
「えっもう?」
と反射的に言ってしまった。
早すぎる。
もっと一緒にいたいよ。
抱きしめててほしいし、
もっと触れていたいよ。
「オマエ、おじさんに
言ってでてきたのか?」
と言われて我に返る。
反対されたら…確かに困るし、
馬村の立場が悪くなる。
でも…でも!
「会えないから会いに来たんじゃん!」
「だいたい馬村バイト入れすぎだよ!」
ああ、八つ当たりだ。私。
馬村にちょっと会えないだけで
こんなに不安定になるなんて…
不安だよ。
綺麗な女の人が
そばにいるし!
私だって嫉妬ぐらいする。
そんな気持ち、
全然わかってない!
そう言いそうになったとき、
「すずめ!」
ふいに名前を呼ばれた。
作品名:トランキライザー すずめside 作家名:りんりん