好きのカタチ
翌日。
「今日も彼氏と約束?」
「え、うん。」
「彼氏、ちょっと怖いね。」
怖い? どこが?
「そんなに彼氏とばっかいて
束縛されちゃってさぁ、
つまんなくないの?」
「束縛?!」
思ってもない言葉が
シュウから出てきて
すずめはビックリした。
「だってそうじゃん。
毎日ガッコのヤツと
交流もしないで、
顔見るためだけに
待ち合わせしてんでしょ?」
「そんな縛り、俺だったら
耐えられないなぁ。」
「……。」
大輝も、私が会いたい
ってわがまま言ったから
無理してるのかな…。
他の約束も断って??
そう言えば、
昨日も無理すんなって
言ってたっけ?!
すずめはサーっと
青くなった。
「たまにはクラスのヤツと
交流したほうが、
彼氏も息抜きできて
いいかもよ?」
そう言われて、
「そう…だね。」
とすずめは返事していた。
「マジで?!じゃあさ、
ごはん行こうよ。
二人が嫌ならみんなで。」
「みんなで…。」
「オーイ、ひまなヤツ。
これからメシ行こうぜ。」
シュウが呼び掛けると
数人が集まった。
まぁ、みんなでならいっか。
すずめは大輝に
『クラスの子とごはん
食べに行くことになった。
あとでメールするね。
ごめん。』
とメールした。
メールをみた大輝は、
しょうがないな、と思いつつも、
昨日のシュウという男が
気になっていた。
「クラスの子って誰だよ…。」
でもバイトの時間があるので
仕方なくすずめの学校を
離れる。
バイトの休憩時間に
大輝はすずめにメールした。
『いまどこ?家?』
『○○屋って飲み屋さん。
まだごはん中。』
すぐにすずめから返事があった。
昨日のアイツと一緒なのか?
と打ちそうになって
躊躇った。
すずめにだって
学校のヤツと楽しみたい時が
あるだろう。
あれこれ詮索して
それを邪魔したくない、
という気持ちと、
他の男と楽しそうに
してほしくない、
という気持ちで
ぐちゃぐちゃした。
「はぁ…。」
大輝は深くため息をつき、
『気をつけて帰れよ。』
とだけメールして、
気が気でないまま
バイトに戻った。