好きのカタチ
撒くと言っても
どうしたらいいんだろう。
こうやって逃げ回っていたら
シュウは諦めるのかな?
そもそもホントに
私のことが好きなのかな?
からかってるんじゃなくて?
そんな風に思っていたら、
「すずめちゃん。」
と声をかけられた。
シュウだ。
「すっかり彼氏に
ストーカー扱い
されちゃったな。」
「昨日家まで行ったの
やりすぎだったかな。」
「シュウ。
今日言ってくれた気持ちが
本当なら、私は
それに応えられないよ?」
すずめはそう言うが、
「今はそれでいいよ。」
とシュウが言う。
「今は?」
「だって人の気持ちなんて
どうなるかわかんないでしょ?」
「そりゃそうだけど。」
何を考えているのか
シュウはイマイチわからない。
人の気持ちはどうなるか
わかんないけど、
自分が今大輝が好きで
他の人を考えられないのは
事実だ。
「ねぇ、ごはん行こうよ。」
「行かないよ。」
「彼氏にダメって言われたの?」
「そうじゃないけど、
好きとか言われて
ホイホイ行けないよ。」
「ごはん食べるくらい
いいじゃん。」
「シュウ。」
すずめはシュウ目をまっすぐ
見据えて言った。
「私は大輝が
傷つくことはしない。
例えシュウを
傷つけることになっても。
大輝が大事だから。」
「すずめちゃん…。」
「だからどんなに誘われても
今それが大輝を
不安にさせるなら
私は行かない。」
「はっなんだよ。」
すずめにハッキリ言われ、
どう返していいか
シュウはわからなくなった。
「誰と比べてるか知らないけど
好きの形はみんな
同じじゃないよ。」
「えっ…。」
すずめの言葉に
シュウは驚いた。