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温泉旅行 前編

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宿泊券の行き先は、
電車で1時間半ほどで行ける
割と近場の温泉で、

二人は駅で待ち合わせをした。

ゆゆかに相談して、
コーディネートも
バッチリだ。

「は? 付き合って3年で
初めて二人で旅行だぁ?
今まで何やってたの。
バッカじゃないの?」

とさんざん言いながらも
ショッピングにつきあってくれた。

ゆゆかちゃんには
頭が上がらない。


「ほら!ほら、ごはん!
伊勢海老と鮑の懐石
って書いてある!
伊勢海老〜!伊勢海老〜!」


「オマエ、ちょっと落ち着け!
小学生の遠足じゃねんだから。」


行きの電車の中で宿のパンフを見て
興奮しすぎて
大輝にたしなめられる。

「あ、ごめん…楽しみすぎて。」

すずめは頭をかく。

「あっそうだ!オヤツ!
オヤツ持ってきたんだった。」

ゴソゴソとバッグの中から
お菓子の入ったビニール袋を出し、

「やっぱり遠足じゃねぇか。」

と大輝に呆れられる。

たしなめられても
呆れられても
すずめの興奮は
おさまりそうにない。


こんなに長い時間
二人っきりでいられるなんて
初めてかもしれない。


ウキウキしてずっと
顔がにやけていた。

「オマエ、顔キモいぞ。」

「えっ…でも
言っとくけど大輝だって
ずっと笑ってるからね?」

「えっ!」

と大輝は
真っ赤になって
手の甲で口元を隠した。


天気はよく、快晴で、
水色の空がカラッとしていて
風も気持ちよかった。


二人は電車の中で、

今大学ではどういう
実験をしてるのかとか、

すずめの職場の
変わった人の話とか、

普段ゆっくりできない
日常の話をたくさんして、

会えない時間の溝を
ひとつずつ埋めていった。


作品名:温泉旅行 前編 作家名:りんりん