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温泉旅行 後編

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「すごい!海賊船だよ!!」

湖を何ヵ所か停泊し
一周する遊覧船は
派手な海賊船の形をしていて、

すずめの浮かれ心を刺激していた。

目がキラキラと輝いて
ひゃぁひゃぁ言っている。

「すごい!これに乗れるんだ!」

びょんびょんと
すずめが跳ねる。

周りの人がクスクスと
すずめを見て
笑っているのに
気がついた。

「あ…またやってしまった…」

昨日も学習しないって
言われたのに。


「いいんじゃね?」

「え?」

「危なかったら
オレが止めてやるから、
好きなだけはしゃげば?」

「いいの?!」

大輝のOKをもらって、
またすずめは遠慮なく
はしゃぎだす。


わー湖だ、

あっ魚だ、

鳥だと

キョロキョロしていて、

ズルッと手すりをもち損ね、
すずめは桟橋から
落ちそうになった。

「このバカッ!」

また大輝にガシッと
捕まえられる。


二人して真っ青になった。


「浮かれていいとは言ったけど
死んだらシャレになんねえだろっ。」

「…ごめん…」


「はぁぁぁ…」

「オマエ…絶対
オレより先に
死ぬなよ?」

すずめがいなくなったらと思うと
大輝はゾッとした。


「…さだま○しだ。」

「は?」

こっちは本気で怒っているのに
すずめはまた
とんちんかんなことを言う。

「父ちゃんがよく聞いてたんだ。
さだま○しの"関白○言"。」

「かん…何だって?」

「オレより先に死んではいけない
っていう愛の歌。」

ニコニコすずめが言うので
大輝はまた怒る気も失せた。

「あのな…」


「今度借りて聞いてみて?」


ったく。

ホントになんでオレは
こんな女が好きなんだろうな。

惚れた弱みと言おうか、
さっき落ちかけたことなど
もう忘れて、
ワクワク顔になっている
彼女をみると、

ま、いっかと許してしまう
大輝だった。


作品名:温泉旅行 後編 作家名:りんりん