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温泉旅行 後編

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「オマエ、さっきの話
聞いてたんだろ?」

歩きながら大輝が
話し始める。


「え…ごめん。
入るに入れなくて。」


「オレの気持ちは諭吉さんに
言った通りだから。」

「え?」


「オマエといつか家族になりたい
って思ってる。」

「それだけ知っといて。」

大輝は真剣な目をして
すずめに話した。


「私、今日ね…」

「ん?」

「朝起きたら隣に大輝がいたり、
一緒にドアを出たり、
大輝が鍵持ってたり、
一緒に朝ごはん食べたり、
そういうのが、
家族みたいでいいなぁって
嬉しくて。」

すずめは旅行で思ったことを
素直に大輝に話した。


「だからあんなニヤけてたのか。」

「へへ。」



「私、週末、おじさんに
料理教えてもらって
がんばるよ。」


「そこはあんまり
期待してねえから。」


「えっなんでよ。」


「オマエが張り切ると
ろくなことねぇんだよ。」


「えー…」

やる気になったのに、
いきなり出鼻をくじかれて
すずめは不本意だった。


「普通でいいから。」

大輝がそう言ってくれたので、
すずめはわかった、と
うなずいた。


「ヤベ…」


「え?」


「オレ、マジ嬉しいわ。」

顔に手をあてて
大輝は赤くなる。


「うん。私も嬉しい。」


二人はどちらからともなく
キスをした。


「じゃあ、また。
詳しくわかったら
連絡しろよ。」


「うん。」


すずめは大輝の後ろ姿に
手を振った。


この旅行が、二人の将来への
大きな一歩になった、
そんな気がしていた。


すずめは家に戻り、
ゆゆかにも報告した。


「まぁ、よかったんじゃないの?」

とゆゆかは言いながらも、

「たまには週末
私とも遊びなさいよ?」

ちょっとさびしそうに言って
電話を切った。


「大輝と家族…」


「いつかなるのかな…」


すずめはその夜、布団の中で、

ちょっと想像しては、

わーとか、ひゃーとか
たまらない気持ちになって、

クッションをボカボカ叩く。

「よし!仕事、がんばろう!」

「家事も…やっぱ覚えよう。」


次の日、
すずめがあまりに張り切って
バリバリ仕事をするので
周りのスタッフも

「与謝野さん、週末
何があったんだろう。」

とビックリしていた。


諭吉はやる気のみなぎる
すずめの姿を見て、
改めて、大輝の存在の
大きさを知った。

ただ、旅行から帰ったあとのすずめに、
張り切りすぎないかと
ハラハラしどおし
だったけども。

作品名:温泉旅行 後編 作家名:りんりん