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つぼみの家

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「面白い、これ。」


コキコキコキ、コキコキコキ
と、リクライニングをさせてみたり、
マットとして全部開いてみたり、
すずめは面白がって
いろいろ変形させてみた。

「ね?広がるんだね。」

無邪気に笑うすずめの上に
大輝が覆い被さった。

「わあ!」

「オマエ、わかってる?」

「何を?」

「ここで寝るんだろ?二人で。」

「わかってるよ…
でも来週からになっちゃったね。」

「ん…でも今日も誰が来るとか
心配しないでキスできる。」

大輝はチュ…と
すずめの唇に自分のを合わせた。

「大輝?」

「うん?」

「幸せだよ。私。」

「そんなの、オレのほうが
幸せだろ。」

「いや私だよ。」

「オレだ。」

「私。」

と言い合っていて
プッとすずめが噴き出した。

「バカップルか…」

大輝は自分で自分が
恥ずかしくなってきた。

「浮かれてるな。」

「浮かれてるよ。」

「で?ご飯作れんの?」

「まだ…あっ
昆布のおにぎりなら
作ってきたんだけど。」

と言って、すずめは
ゴソゴソ袋から
おにぎりを取り出す。

「ふ…デケエ。」

「なんでか作ってるうちに
大きくなっちゃうんだよね。」

すずめの作ったおにぎりは、
やっぱり爆弾サイズだった。

「そしてしょっぺえ…」

「塩は多いほうが
おにぎりは美味しいって
おじさんに言われたんだけど。」

「にしても入れすぎだろ。
50点。」

「高校ん時の
英語の点よりあるや。」

「何点だよ…」

「え…12点?」

「よく卒業できたな、オマエ…」

ホントにね。と
すずめはつぶやく。

「このおにぎりも
かなり甘く採点してるからな。」

「まぁ、料理はオレもするから
ほどほどでいいよ。」

「大輝、料理できんの?」

「オレんち、母親いねえからな。」

「えー!」


自分が何にもできなさすぎて
すずめは情けなくなってきた。

「これからできるように
なるから気にすんな。」

「つぼみさんが帰ってくる時以外は
なるべく寄るから。」


「大輝のおじさんには何て?」

「…まだ言ってない…
まだ学生なのにって
殴られそうで。」


「殴る?!おじさんが?」

「いや、殴られたことはないけど…
責任とれないことはするな
といつも言われてるから。
大学に泊まり込みになるかもって
言ってある。」

「そうなんだ…」


「そのうち話すよ。」

「うん…」


すずめは改めて、
大輝は学生で、
まだまだこういうことは
認められないんだと
実感してしまった。

作品名:つぼみの家 作家名:りんりん