機動戦士ガンダムRSD 第2話 戦いを呼ぶもの
入れるだけ開けばいい」
キリー中尉が整備員をせかした。
「アンディー大尉」
整備員がアンディー大尉を呼ぶとアンディー大尉は、機体に走って行った。
「中の損傷は、分からない。
いつも通り動けると思うなよ。
無理だと思ったら直ぐ下がれ」
アンディー大尉は、ガイヤス・ギアを起動させながら整備員の言葉にうなずいた。
そして機体を起こした。
「どけ、キリー」
そういうと整備員とキリー中尉は、機体から離れた。
するとガイヤス・ギヤでコックピット上のがれきを撤去した。
キリー中尉は、ガッツポーズをするとガイヤス・ギヤに乗り込んだ。
※
特設中央部では、情報が錯そうしていた。
「港が使えないとは、どういうことだ」
「衛生兵、衛生兵」
「誰がここの指揮を執っているんだ?」
タカノリ・サイジョウ元帥もこの強襲に巻き込まれた。
不幸にもサイジョウ元帥は、ガンダムサイガーが格納されていた格納庫から離れた場所にいたためここに来るのにやっとだった。
「パパ」
子供もこの混乱で死んだりけがをしていたがこの子は、無事両親と再会できた。
「一体どういうことだね?
何故こんなことになった?」
特設中央部には、民間人も多数詰めかけコロニー軍に対して批判をしていた。
「あの4機は、どうした?
状況を説明してくれ」
サイジョウ元帥は、側近に状況の説明を求めた。
「お急ぎ下さい」
そこにやっと衛生兵が来た。
「元帥」
その時近くに流れ弾が命中し側近がサイジョウ元帥を守った。
「ここは、まだ危険です。
有毒ガスも発生しています。
議長もシェルターへお入り下さい」
兵の1人がサイジョウ元帥にシェルターに入るよう促した。
「そんなことが出来るか。
事態すらまだよく解らないのに」
サイジョウ元帥は、事態の掌握もできないままシェルターに入る気など微塵もなかった。
「しかしならばせめてリーンホースJr.へ」
兵の言葉にサイジョウ元帥もしぶしぶ従った。
※
ガーティー・ルーは、マゼランにゴットフリートを撃ち撃沈させた。
ネオ大佐は、モニターで外の戦況を見た後腕時計を見た。
※
スティング少尉、アウル少尉、ステラ少尉とシン中尉は撤退のため火力をガンダムサイガーのみに集中した。
しかし全く攻撃が当たらなかった。
「くそ、こいつ」
スティング少尉は、敵を倒せないことにいらだっていた。
「カオスもガイアもアビスもいるのに」
その時シン中尉は、背後からガンダムサイガーが切りかかってくるのに気付いた。
シン中尉は、ソードインパルスガンダムを上昇させて回避した。
「こいつは、何故落ちない?」
それは、ステラ少尉も同じだった。
※
それは、サオトメも同じだった。
「何でこんなことになったんだ」
サオトメは、ガンダムサイガーを黒い変形型ガンダムに接近させると蹴った。
黒い変形型ガンダムは、シールドしたが吹き飛ばされた。
※
アウル少尉もいらだっていた。
「この」
アウル少尉は、3連装ビーム砲をガンダムサイガーに撃ったがビームシールドで防がれた。
※
サオトメは、青色ガンダムの肩部ビーム砲をメガビームシールドのビットを展開して広範囲に拡がっているビームを防ぐと敵ガンダムの分析を行っていた。
(従来機では、ここまでの火力と戦闘継続時間を両立させることは不可能だ。
まさかまた核エンジンを使っているのか?)
サオトメは、敵ガンダムは条約違反の核エンジンを使用しているのではないかと疑った。
※
アウル少尉は、もう1度3連装ビーム砲を撃とうとした。
しかし直後右肩部シールドに高出力ビームが直撃した。
その威力が高かったため一度後退した。
「アウル」
スティング少尉は、ビームが飛来した方向を見た。
すると2機のビームライフルを構えたガイヤス・ギヤが接近していた。
※
「この、よくも舐めた真似を」
キリー中尉は、青色ガンダムにビームライフルを連射した。
※
「スティング、きりがない。
こいつだってパワーが持たない」
アウル少尉は、ビームを避けながらスティング少尉にこれ以上の戦闘が無意味であることとパワーが残り少ないことを報告した。
「離脱するぞ。
ステラ、シン。
そいつを振り切れるか?」
スティング少尉は、もう1機のガイヤス・ギヤのビームライフルを回避したりシールドで防ぎながら離脱を決意した。
そしてシン中尉とステラ少尉に離脱できるか聞いた。
「すぐに沈める」
ステラ少尉は、そう答えるとバルカン砲を撃つガンダムサイガーにビーム突撃砲を撃ちながら接近した。
「こんなところで私は、負けない」
そしてガイアガンダムは、ガンダムサイガーに切りかかったがシールドで防がれた。
※
「サオトメ大佐」
アンディー大尉は、サオトメを心配した。
※
「離脱だ。
やめろ、ステラ」
シン中尉も命令した。
※
しかしステラ少尉は、止まらず再びガイアガンダムはガンダムサイガーに接近した。
「私がこんなところで負けるか」
「ステラ」
既にステラ少尉には、シン中尉の言葉も耳に入っていなかった。
「じゃあお前は、ここで死ねよ」
ガイヤス・ギヤからのビームライフルの攻撃を12.5mmCIWSで迎撃しながらアウル少尉がステラ少尉のブロックワードを言った。
瞬間ステラ少尉は、硬直した。
「アウル」
それは、スティング少尉も聞いており怒鳴った。
「ネオには、僕が言っといてやる。
さよならってな」
アウル少尉は、とどめとを言い放った。
※
その変化は、サオトメも気づいた。
突然黒い変形型ガンダムが動かなくなったのでとどめと言わんばかりにV.S.B.Rを低出力で撃ったが合体ガンダムに防がれビームライフルで反撃された。
サオトメは、ビームライフルの攻撃を回避した。
※
「死ぬ?
わたし・・・・そんな」
ステラ少尉は、先とは打って変わっておびえていた。
「アウル、お前は自分が何をしたか分かっているのか?」
それにシン中尉が怒りをあらわにした。
「止まんないじゃん。
しょうがないだろう?」
アウル少尉は、全く詫びる気配がなかった。
「黙れバカ。
余計なことを」
それにスティング少尉も続いた。
ステラ少尉は、絶叫するとそのまま敵前逃亡した。
スティング少尉は、それを見て舌打ちそれに続いた。
ソードインパルスガンダムも同じだった。
「結果オーライだろ?」
アウル少尉は、連装砲を撃ちながらそんなことを言った。
※
それにキリー中尉とアンディー大尉も気付いた。
「逃がすか」
サオトメたちは、追撃したがキリー機は突如スラスターが故障した。
コックピット内では、アラームが鳴り高度を下げ始めた。
※
「医療チームD班は、第7工区へ」
敵ガンダムと激戦を繰り広げたユーピテルツヴァイは、特設医療場に着陸しようとしていた。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第2話 戦いを呼ぶもの 作家名:久世秀一