機動戦士ガンダムRSD 第2話 戦いを呼ぶもの
「45号ストレージの弾薬庫に注水しろ」
彼女は、放心はしているもののけがをしている様子はなかった。
ユーピテルツヴァイは、着陸した。
「Eブロックも駄目だ。
動ける機体は、α艦隊がいるドックへ行ってくれ。
そう、負傷者もだよ」
彼氏は、降りられる状況かカメラを切り替えて注意深く判断していた。
「解りました」
その時彼女が放心状態から現実世界に戻ってきた。
「大丈夫か?」
彼氏は、彼女の心配をした。
「はい」
彼女は、シートの横にいたので後ろに移動しようと立ち上がろうとしたが足に力が入らなかった。
「すまなかった。
怖い思いをさせてしまって。
すぐに安全に降りられる場所を探すから」
そういうとここは、降りられないと判断したのか彼氏はユーピテルツヴァイを歩かせ別の場所を探した。
「だけどどうしてこんなことになったんでしょう?」
彼女は、目の前に広がるマン・マシーンの残骸や破壊された格納庫を現実として捉えることはできたもののどうしてこうなったのかはまだわからなかった。
※
「マゼラン級撃沈」
ガーティー・ルーは、ゴットフリートで1隻のマゼランを撃沈した。
「左舷後方よりユーピテルツヴァイ1、ユーピテル23」
ガーティー・ルーのブリッジでは、オペレーターが新手の接近を報告した。
「アンチビーム爆雷発射と同時に加速20%、10秒。
1番から4番、スレッジハマー装填。
モビルスーツ呼び戻せ」
イワン艦長が迎撃命令を出した。
「彼等は?」
ネオ大佐は、ガンダムチームからの連絡がないか聞いた。
「まだです」
オペレーターが無情な声で報告した。
「失敗ですかね?」
イワン艦長は、4人がコロニー軍の迎撃で戦死したと感じ始めていた。
※
1機のダガーLは、ユーピテルツヴァイにビームライフルで撃墜された。
※
「港もつぶせませんでしたしあれは、軍事工廠です。
長引けばこっちが保ちませんよ?」
イワン艦長は、任務失敗と潮時を感じていた。
「解ってるよ。
だが失敗するような連中なら俺だってこんな作戦最初っからやらせは、しないしな」
ネオ大佐は、立ち上がりながらそういった。
イワン艦長は、ネオ大佐が何を言っているのか分からなかった。
「出て時間を稼ぐ。
艦を頼むぞ」
ネオ大佐は、そういうとブリッジを後にした。
「了解。
格納庫、カラミティE出るぞ。
いいか?」
イワン艦長が格納庫に通信を入れた。
※
緑色ガンダムは、バックパックを切り離した。
そして青色ガンダムが肩部ビーム砲と胸部ビーム砲を撃った。
2機は、それを回避すると大型ファンネルもどきがガンダムサイガー改を狙って撃ってきたが回避した。
「なんて機体だ。
ファンネルもどきまで装備しているとは」
サオトメは、敵ガンダムの性能の高さに驚愕していた。
※
ステラ少尉は、ガイアガンダムをコロニーの隔壁まで一直線に飛ばしていた。
ステラ少尉は、完全におびえていた。
※
「脱出されたらお終いだ。
その前に何としても撃墜する」
サオトメは、僚機に命令した。
「解ってますけど性能も腕も良くて思うようにいきませんよ」
アンディー大尉は、サオトメに弱音を吐いた。
※
「駄目です。
司令部と通信がつながりません。
完全に指揮系統が分断されてます」
通信士のフランシス・ラル大尉が通信状況をマーカー艦長に報告した。
「工廠内ガス発生。
エスパスからロナウル地区までレベル4の退避勧告発令」
オペレーターのエルヴィン・グレーデ中尉がコロニーの被害報告をした。
マーカー艦長は、コロニーの被害を聞くとあまりのひどさに頭痛がしてきた。
「艦長、これはまずいですよね?
もしこのまま逃げられでもしたら完全にこちらの敗北ですよね?」
航海士のトーマス・サカイ大尉が敗北に身を震わせながら言った。
「そんなことされてたまるか」
マーカー艦長は、どんな手を打ってでも敵部隊を追撃しようと考えていた。
※
キリー機は、リーンホースJr.に近づいていた。
するとハッチが開いた。
キリー大尉は、緊急着艦ネットを使わずにガイヤス・ギヤを着艦させた。
※
サイジョウ元帥は、タラップを歩きリーンホースJr.に乗艦しようとしていた。
※
「それにしてもどこの部隊だ。
こんな大胆な作戦を仕掛けてくるなんて」
マーカー艦長は、敵の正体を考えていた。
※
ガーティー・ルーからは、カラミティEが発進した。
ネオ大佐は、ユーピテル1個小隊を確認した。
ユーピテル1個小隊は、カラミティEに向けてビームマシンガンを撃った。
ネオ大佐は、攻撃を回避するとガンバレルを展開した。
そしてガンバレルに搭載してある連装ビーム砲を撃ち撃墜した。
その後もユーピテルを次々と撃墜した。
ネオ大佐は、敵パイロットの練度の低さを冷笑した。
※
それは、サオトメも感じた。
(この感覚・・・・まさか)
信じたくなかったがこの感覚は、間違いなかった。
※
リーンホースJr.のブリッジにサイジョウ元帥が入ってきた。
皆は、立ち上がり敬礼した。
「状況は、どうなっている?」
サイジョウ元帥は、イライラしながらマーカー艦長に聞いた。
※
ステラ少尉は、泣き叫びながら高エネルギービームライフルとビーム突撃砲をコロニーの隔壁に撃ったが壊れなかった。
「ステラ」
シン中尉は、ガンダムサイガーの腰部ビームキャノンを避けながらステラ少尉援護のためにガンダムサイガーにフラッシュエッジビームブーメランを投げた。
しかしガイヤス・ギヤがビームライフルでフラッシュエッジビームブーメランを撃ち落とした。
「ミネルバ、フォースシルエットを射出してください」
シン中尉は、近接戦闘から高機動戦闘に切り替えることにした。
※
「艦長」
アーサー副艦長がタリア艦長に指示を仰いだ。
「許可します。
射出して」
タリア艦長は、フォースシルエットを射出するように命令した。
しかしアーサー副艦長は、戸惑っていた。
「何のための換装システムよ」
タリア艦長は、インパルスガンダムの特徴がなんなのか問うた。
「そうですね」
アーサー副艦長も了承した。
「フォースシルエット、射出スタンバイ」
オペレーターのメイリン・ホーク曹長は、フォースシルエットを射出するように命令した。
※
カオスガンダムは、ガンダムサイガーとガヤス・ギヤにファイヤーフライ誘導ミサイルを撃った。
ガンダムサイガーは、頭部バルカン砲で迎撃した。
アウル少尉は、ガイヤス・ギヤからのビームライフルの攻撃を回避していた。
「いい加減」
「しつこい」
スティング少尉とアウル少尉は、2機のしつこさに飽き飽きしていた。
※
「フォースシルエット射出シークエンスを開始します。
オールシステムズゴー。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第2話 戦いを呼ぶもの 作家名:久世秀一