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修学旅行

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三日目は京都市内を自由行動。

「あれ行きたかったんだー。
 太秦映画村!」

「映画づいてんな。
 でもオレ、邦画あんまり
 観たことねーぞ?」

「いいの、いいの。
 私もないけど、
 忍者屋敷があるんだって。」

そっちか。

馬村は忍者の格好をした
すずめを想像して
似合いすぎるとブッと噴いた。

「え?何?」

「なんでもない。」

平日の映画村はガラガラで、
でもところどころに
侍の格好をした人や
お姫様の格好をした人が
歩いていて、記念撮影を
求められていた。

「わ!見て、馬村!
 あの上のほう、忍者が
 綱渡ってるよ。」

「ありゃ人形だろ。」

「えっそう?」

「あんな動きする人間いたら
 キモイだろーが。」

「忍者だからかと思った…」

「バーカ」

馬村が笑ってる。

変にヒソヒソする女子もおらず、
リラックスしてるみたいだ。

すずめもなんだか嬉しくなった。

大きな橋を渡る手前で、
なにやら時代劇の撮影を
しているみたいだった。

でもスタッフに囲まれていて
全然見えない。

「誰だろうね。見えないねー。」

すずめがビョンビョンしていると

「こっち。」

と言って馬村に手を引かれた。

大きな橋の上に連れていかれると
「見えるか?」と聞かれた。

手はつないだままで
ドキドキして、
本当は全然見えなかったが
「ちょっとだけ。」
とすずめは答えた。

作品名:修学旅行 作家名:りんりん