魔法少年とーりす☆マギカ 第七話
コンクリの外壁、床が怯える轟音。 トーリスが気付いた時には、契約の妖精の頭部は触手諸共吹き飛ばされ、無残な姿で少年の目前に崩れ落ちた。 骨も組織もない紅の塊の断面。 触れるまでもない。 誤認する余地すら無く死んでいる。
「…ひっ」
立て続けに展開される前衛芸術風タッチの真鍮色の機械工学。 ガラクタ集めの小鳥が蒸気の鳴き声を吐き出し、奇妙なピストン機構が勇ましい斉唱を奏でていく。 魔女の結界か! トーリスはただの人間である。 魔法など使える筈もない。 言うなれば、生身で丸腰で無防備な… 魔女のいいメインディッシュ!
「ぁあ、あアァぁあああぁァあ!!」
手立ては何もない。 少年は家へ一目散に逃げるしかなかった。
作品名:魔法少年とーりす☆マギカ 第七話 作家名:靴ベラジカ