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ワルツ

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 ライブラに来て少しは足掛かりが出来たとはいえ、神々の義眼と妹の視力を戻す糸口があるわけじゃない。出来たとしてももっとずっと先だろう。いつになるかわからないことだと思ってあんまり考えていなかった。そうか、義眼がなくなってライブラにいる意味もなくなったら、また別の仕事をして生活していくことになるのかな。特殊な眼以外は戦力にもならない、諜報に長けているわけでもない僕が義眼を失った後、ライブラでできることはない。
 だけどザップさんの意図は別だった。
「番頭や俺らはもし血界の眷属を根絶やしに出来たとしても裏稼業から抜けるわけじゃねえ。姐さんなんかはわかんねーけど。あちこち恨み買いまくってるしな。来たばっかの魚類なんかは別だけどよ。そこらへん、所詮住む世界が違うってヤツじゃねえの?」
「なんすか、そしたら義眼がなくなったら俺は用済みっすか」
「専属運転手としてだったら召し抱えてやらんでもない」
「俺、元々記者志望だったんすよねーまた夢追うのもいいかなー」
「おい」
「アンタに雇われても給料でねーもん」
「給料出るとこだったらこの街に残るってか」
 そう言われてしまうと、脳裏をよぎった妹の顔に即答ができなくなる。またミシェーラの眼が見えるようになったなら、毎日顔を見て話がしたい。今離れて暮らしている分もだ。
「…………そういうことなんかな」
「ああ?」
「ザップさん、やっぱラーメンなしで。事務所行ってください」
「ハァ?センパイをアシに使おうってのかよ」
「今度一回だけ奢りますからお願いしますよ」
「しゃーねえなぁ」
 なんだかんだで進路を事務所に向けてくれる。態度は悪いけど結構いい先輩だ。調子に乗せると感謝が吹き飛ぶほどのクズっぷりを露呈するので絶対に言わないけど。
作品名:ワルツ 作家名:3丁目