魔法少年とーりす☆マギカ 第十話「グリーフ・ラッシュ」
大きくハルドルは身震いし恐怖した。 部屋の寒さにではない。 一人は背に蝙蝠の様な翼を生やし、一人は二の腕が蔓状に変形し、もう一人は左下腕が切断された様に失われた… しかしコピー・アンド・ペーストをしたかのように瓜二つな、下半身の無い長い黒髪赤眼の少女三人が一人ずつ、白黒の異様な衣服に身を包み、それぞれ別々の標本瓶の中で永い眠りに付いていた。
「クローン、人、間」
長い付き合いの相手が禁断の果実をもぎ取らんとしていた事実。 見ただけで解る、その祈りのおぞましさとどす黒さ。 暫く彼は立ち尽くしていた。
作品名:魔法少年とーりす☆マギカ 第十話「グリーフ・ラッシュ」 作家名:靴ベラジカ