二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」
靴ベラジカ
靴ベラジカ
novelistID. 55040
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

魔法少年とーりす☆マギカ 第十話「グリーフ・ラッシュ」

INDEX|5ページ/11ページ|

次のページ前のページ
 

 (俺達は、俺達魔法少年は、どんな時だって皆生まれながらに魔女を倒す。 正義の味方なんだよ)
脳裏を廻る、亡き戦友の遺した最期の言葉。
 磯の香りが満ちる、ときわ湾を目前にしたオーシャンビューが家族連れやカップルに人気を博していた、ときわ海浜公園。 チープなイタリアンチェーン店でテイクアウトしたアイスカフェオレを啜り、周囲の騒がしい有様を傍目にルートヴィッヒは沈思していた。
 氷の解けて温いカフェインと共に広がる、厭味ったらしい人工的な甘味。 最早生身でない、存在しない筈の左腕が後悔に打ちひしがれて痛んだ。 そこで割高なポップコーンを噛み締める若者達、ここで甘ったるいロマンスに興じるカップル。 ルートヴィッヒの思い描く未来予想に、彼らの様に、無思慮に友誼や愛情に興じる姿はもう一つも描かれていない。 若く希望に満ち溢れた将来設計を共に描き、共に考える存在はもういないのだから。 黄金色に輝くジェムとは対照的に、仄暗い方へ徐々に歩んでいく他ない、何れ、行き止まりに突き当たると解り切った自身の未来。 その前から決して離れず姿を現し、彼を悩ませ、苦しませ、時に救う親友達の幻影に、彼は頷いた。 頷こうとした。
 「ねえ、ちょっと… 何アレ」
誰ともつかぬ女性の声につられ、カップル候補の男性、ポップコーンを遊び喰う青年達、鳩と戯れる幼児、それを見ていた母親― いつの間にか、周囲の有閑市民達が一様に一点を見ていた。 幻影を掻き消し、ルートヴィッヒも痛みを堪え大柄な踏鞴を踏みつつ視線を向ける。
 レトロな拡声器からひり出される、陽気なノイズだらけのアナログな背景音楽が急に、伴奏すら無い不気味な二人合唱に切り替わった。

 《《イスト・アンセル、ウンド・アンセル・デル・シーグ(全部、僕達の物だ、勝ちは僕達の物)! ラスト・ルスティグ・ディエ・ホナー・エセリン(勝利の音を聞かせて)! ウィル・ラッセン・ディエ・ホナー・エセリン(勝利の音を、陽気な音を響かせて)!―》》
視界に黒煙と炎が満ちる。 肉や金属、プラスチックの焼ける悪臭、機械油の臭い。 スクラップと化し、歪んだドアから鮮紅と何かが汚らしく溢れ出る、元ヘリコプターと思しき鉄塊は墜落した。