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靴ベラジカ
靴ベラジカ
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魔法少年とーりす☆マギカ 第十一話

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 「魔女から。 化け物、敵対者から、自分達の聖地を、拠り所を、取り戻す」
しどろもどろの思考回路を纏め上げ、ゲジ眉名探偵は感心と驚嘆をひた隠しながら、固めた推察を放った。
 「十二世紀の北フランス。 キリスト教の聖地回復の為に集まった、民衆十字軍。 このご時世に魔法を使う… お前らが、少年十字軍として蘇った。 訳が判らねえが、そう言いたいのか」

魔法使いの高校生達はお互いを見合い、目を白黒させて、フェリシアーノはくりくりとした目を輝かせた。
 「少年十字軍。 それ、初めて聞いたけど、すごいカッコいい!」
 「そ、そうだ、そうだろ? 領土拡大、商圏拡大、私利私欲の為でなく、信ずるものを守る為に、当時の世界の果てまで邁進した民間人。 詳しくなくても、浪漫を感じるだろ」
最終的にはバッドエンドを迎えるんだがな。 はしゃぐ年上の前で、彼は夢も希望も無い実情と、西洋知識を熱く語り合いたい感情を抑えた。 金髪オールバックは威圧の表相を和らげ、自身の顎を包むように手で触れる。
 「詳しくは無いが、悪くない響きだ」
 「魔法少年ですから、アイデアを拝借するなら【魔法少年十字軍】でしょうか」
 「ヴェ! それいい、すごくカッコいいよー」
 「ああそうだ、そうだろ?」
盛り上がる魔法使い、いや、魔法少年チームとアーサー一同。 ときわ中学生の無事を確認し、彼等は漸くティーパーティの為に馴染みだと言うイタリアンチェーン店へ向かった。

 「貴方達は。 魔法… 少年?」
眼鏡のときわ男子中学生は意識を取り戻し、ずれた眼鏡を掛け直した。