魔法少年とーりす☆マギカ 第十一話
「アハハ… あいつ、面白いほどに俺の狙い通り… プロセスこそ違ったが、【半永久的にソウルジェムを浄化できる力】を持った、ルール違反の卑怯と言う卑怯を固めてゼリーにしたような魔法少年になったんだぜ。
使える魔法少年掻き集めて、お前を蘇らせる為の魔術部を作って、キクを人間として身体を作り直せる技術も生み出した。 魔女の心臓(ウィッチハート)も作り出せた。 もう大丈夫だ、グリーフシードの過不足に悩む心配なんかねえ。 だからキク、」
アーサーは背負った血濡れの標本瓶を肩から下ろし、中身の物体を、
―今も不気味に脈動を続ける、漫画の様なハート型。 人間の其れよりも幾許か大きい、【魔女の心臓】を。 自身の胸元で剣劇の水子魔女に誇示した。
「ちょっとの傷は後で治してやる。 だから、【もう一度だけ死んでくれ】」
草色のソウルジェムは光り輝き、尖り先端のひしゃげた魔女帽子、ハンティングへ赴く英国紳士の如きエリザベス様式のゴシックファッションを画き出し、最後に草色は右側の無い奇妙なモノクル風グラスの縄手と一体化した。 魔女の呪いに相反する、魔法の祈り。 本能の蠢きのままに、剣劇の水子魔女は居合を構えた。
作品名:魔法少年とーりす☆マギカ 第十一話 作家名:靴ベラジカ