機動戦士ガンダムRSD 第4話 星屑の戦場
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ミネルバに向かって敵艦とガイヤス・ギヤは、攻撃を続けていた。
ミネルバは、優れた運動性で回避し続けていた。
その爆発の衝撃は、ブリッジを襲った。
「これでは、こちらの火器の半分も使えない」
タリア艦長は、戦況の不利さに苦しんだ。
「浮遊した岩に邪魔されてこちらの砲も届きません」
CICのチェン・ジェン・イー曹長が報告した。
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ジャンヌ・ダルクの戦闘ブリッジでは、艦長のフレデリック・カスペン大佐と副艦長のモニク・ペンター中佐が敵の頑張りを見ていた。
「粘りまね」
モニク中佐が敵の頑張りを称賛した。
「だが艦は、足を止められたら終わりさ。
奴がへばり付いている小惑星にミサイルをぶち込め。
砕いた岩のシャワーをたっぷりとお見舞いしてやるんだ。
船体が埋まるほどにな」
フレデリック艦長が命令した。
「了解」
砲術長が返事をした。
「こちらの艦載機も出せ。
ここで一気に仕上げる」
フレデリック艦長が決着をつけようと判断した。
「了解」
モニク副艦長が返事をした。
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ミネルバのレーダーには、接近するミサイル群が映った。
「ミサイル接近。
数6」
索敵長のバート・ハイム軍曹が報告した。
「迎撃」
タリア艦長が反射で命令した。
「でもこれは、直撃コースじゃありません」
バート軍曹が報告した。
タリア艦長は、モニターを見て気付いた。
「まずい。
艦を小惑星から離して」
タリア艦長が叫ぶように命令したが皆は、何の意図かわからず回避が遅れた。
そのためミサイルは、ミネルバの進路のちょっと先に命中し大小無数の岩を作った。
それがミネルバに襲ってきた。
「右舷が。
艦長」
アーサー副艦長は、タリア艦長に指示を仰いだ。
「離脱する。
上げ舵15」
タリア艦長の命令でミネルバは、脱出しようとした。
「更に第二派接近」
バート軍曹が報告した。
「減速20」
タリア艦長の命令でミネルバは、減速した。
ミサイルでできた大小無数の岩がミネルバの船体を傷つけていった。
そしてとうとうエンジンにも命中してしまった。
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ジャンヌ・ダルクからガイヤス・ギヤ1個小隊が発進しボギーツーに向かった。
「さて優秀な艦に優秀な兵士が揃ったと言うのにお気の毒だがな。
仕留めさせてもらう」
フレデリック艦長が拿捕を諦め撃沈を決心した。
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ミネルバの前方には、巨大な岩石が立ちふさがった。
「4番と6番スラスター破損。
艦長、これでは身動きが取れません」
アーサー副艦長の報告にタリア艦長は、苦しい表情をした。
巨大な岩石が小惑星にぶつかったせいで砂煙が舞った。
「針路塞がれます」
マイク軍曹がタリア艦長に報告した。
「更にガイヤス・ギヤ4機が接近」
メイリン軍曹が絶望しながら報告した。
タリア艦長は、艦内電話を取るとモビルスーツデッキにつないだ。
「エイブス、レイとマユを出して」
それは、艦載機の発進命令だった。
「しかしカタパルトが使えません」
メカニックリーダーのマッド・エイブス大尉は、カタパルトなしのモビルスーツ発進はないと考えていた。
「歩いてでも何でもいいから急いで」
そこで通信を切った。
「シン達は？」
タリア艦長は、メイリン軍曹に質問した。
「インパルスおよびザクはカオス、アビス、ガイアとともに依然ガンダムサイガー2機と交戦中です」
メイリン軍曹は、悲しそうに報告した。
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ステラ少尉は、白いガンダムサイガーがビームサーベルで連続で切りつけてきたが後退して回避した。
白いガンダムサイガーのビームサーベルは、付近のデブリも切断していた。
ガイアガンダムは、とうとう背後のデブリで退路を絶たれてしまった。
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「とどめだ」
サオトメは、とどめと言わんばかりにカスタム・ビームザンバーを黒い変形ガンダムに突きだした。
しかしそこに合体換装型ガンダムがビームライフルで援護してきた。
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ミネルバのブリッジでは、アーサー副艦長があることを思いついた。
「艦長、タンホイザーで前方の岩塊を吹き飛ばしたらどうでしょう」
アーサー副艦長は、タンホイザーで前方の岩塊を吹き飛ばし針路を作ろうと考えた。
「吹き飛ばしてもそれで岩肌をえぐって同じ量の岩塊を撒き散らすだけよ」
タリア艦長がタンホイザーでは、火力不足だと断言した。
アーサー副艦長は、打つ手なしと言わんばかりに脱力した。
ミネルバは、左舷ハッチを開くとゲイツR1機、レイ専用ザクウォーリアとマユ専用ザクウォーリアが発進した。
(ミネルバは、皆の帰る場所なんだ。
絶対にやらせるものか)
マユ少尉は、この状況を打破しようと意気込みレイ専用ザクウォーリアとともに敵機に向かった。
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それは、サオトメも気づいた。
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ブラストインパルスガンダムとルナマリア専用ザクウォーリアは、巨大デブリの中を通っていた。
「ミネルバが」
シン中尉は、焦っていた。
「戻らないとやられちゃうわよ」
それは、ルナマリア少尉も同じだった。
巨大デブリから出ると多数のビームが飛来した。
それは、白いガンダムサイガーで2機を追撃した。
シン中尉は、デリュージーを白いガンダムサイガーに牽制で撃った。
予想通り白いガンダムサイガーには、命中しなかったが本命にケルベロスを撃った。
しかし命中せず巨大デブリに命中し真っ二つに割った。
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それは、サオトメも見ていた。
「なかなかな火力だな」
サオトメは、省電力高出力化を実現したコーディネイターの技術力の高さに感心した。
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タリア艦長は、決心した。
「右舷のスラスターは、幾つ生きてる？」
タリア艦長は、アーサー副艦長に質問した。
「6基です。
でもそんなのでノコノコ出てってもまたいい的にされるだけです」
アーサー副艦長は、現在生きているスラスターだけでは戦況をひっくり返すことはできないとわかっていた。
「同時に右舷の砲を一斉に撃つのよ。
小惑星に向けて」
タリア艦長は、とんでもないことを言い出した。
アーサー副艦長もさすがに驚いた。
「爆発で一気に船体を押し出すんですよ。
周りの岩も一緒に」
タリア艦長は、自分の策を話した。
「バカを言わないでください。
そんなことをしたらミネルバの船体だって大きく損傷しますよ」
アーサー副艦長は、ミネルバの船体を考え提案を却下しようとした。
「今は、状況回避が先です。
このままここに居たってただ的になるだけわ」
タリア艦長は、状況回避を最優先に考えていた。
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ジャンヌ・ダルク所属のペンター中尉は、ゲイツRにビームライフルを連射したが回避された。
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「動きが止まれば」
マール少尉は、ポルクスIVをガイヤス・ギヤに撃った。
その1発がアンクルサポートユニットに命中した。
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作品名：機動戦士ガンダムRSD 第4話 星屑の戦場 作家名：久世秀一