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甘くて苦い・・・

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「え!」

ぐん!と引っ張られて、
ベッドの中に引きこまれ、
ギュッと抱きしめられた。

馬村がそうした、と気づくまでに
しばらく時間がかかった。

「ま、馬村?!起きたの?」

「オマエ、なんでここにいんの?」

「え、えっと、お見舞いに...」

馬村の喋る息が熱い。

熱のせいか、目もウルウルしていた。

「馬村、大丈夫?
 しんどそうだけど。」

「ん...?暑い...」

そう言って、馬村は抱きしめた腕をゆるめ、
着ていたパジャマの上を脱ぎ始めた。


「えっ馬村!///」

「暑ぃんだよ。」

そう言ってパジャマを脱ぎ捨て、

はぁ、と息を吐いて、
すずめを再びギュッと抱きしめる。

「汗かいてるよ。拭こうか?」

程よく引き締まった馬村の上半身が
汗で少しべたついていた。

「うん...拭いて。」

いつになく馬村が素直だ。


さっきのタオルですずめは馬村の体を拭いていく。

とりあえず何かお役に立ててよかった、
と思いながら。

「なんか変な気分になってきた。」

そう言って、タオルを持っていたすずめの腕をとり、
馬村は、すずめの体を引き寄せた。

「わっ!」

「オイ、こっち見ろ。」

「え...」

すずめが見上げると、
馬村がジーッとみつめる。

「・・・どうしたの?馬村。」

馬村がそっと口付ける。

唇が熱い...

唇だけではなくて、
体も、息も、全てが熱くて、
すずめもなんだかボーッとしてきた。

でもハッと気づくと、ここはベッドで、
馬村は上半身裸で、抱き合ってて...

「!!!!!」

お兄さんが帰ってきたらこれは言い訳できない、
と思ったすずめは、

「私っ!そろそろ帰るね。」

と言って、
馬村の腕から逃れようとすると、

「行くな。」

と馬村はギュッと腕の力を強めて
すずめを逃さないように抱きしめた。

「えっでも、馬村熱出てるし、
 ほら、ね?治さないと!」

すずめはあわてていろいろ説得するが、

「オマエうるさい。」

と言って、再び馬村はすずめの唇を
自分の唇でふさいだ。


「んーーー!!!」

馬村の体を遠ざけようとするが、
力が強くてびくともしない。


「ん、ん!」

そのうちに、馬村の手が、
すずめの腰に回り撫で始めた。

「!!!」

「んっはっ馬村っ!」

「んー?」

「やだ!やっ馬村?!」

全然心の準備もしてなかったので、

急なことですずめはビックリしていた。


ドゴッ

その辺にあったものですずめは
馬村の顔をぶっ叩いてしまった。

「痛っ!」

「あ...」

馬村の腕がゆるんだすきに、
すずめはベッドから逃れた。

馬村は、再びスゥスゥと寝息を立てている。


「え??」

「馬村?気絶したんじゃないよね?」

馬村は穏やかな顔で寝息を立てている。


「何今の...
 もしかしてずっと寝ぼけてた?」


すずめは、ホッとしたような、残念なような、
複雑な気持ちで、自分の服と髪の乱れを整えた。


「な、なんだ...」


馬村が再び寝てしまい、
起きないようだったので、
すずめはやっぱり帰ることにした。

「なんだ...」

もう一度つぶやきながら。


作品名:甘くて苦い・・・ 作家名:りんりん