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靴ベラジカ
靴ベラジカ
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魔法少年とーりす☆マギカ 第十二話

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 雲の間から沈み始めた陽の光が差し込む灰色。 緋と深緑がぶつかり合い、魔法と純銀の火花と僅かな血が散っていく。 打ち捨てられた廃墟の如く残骸と瓦礫が堆く積み上がり、タイルの下のコンクリート床には致命的な亀裂が大量に奔る、ときわランドマーク展望台の屋根の上。
 異常近距離のインファイトを繰り返す緋のヒットアンドアウェイと、開いた左手の拳鍔で対抗するも慣れぬ肉薄の距離に対応しきれず押されるも、しぶとく抵抗を続ける深緑の怒涛のラッシュは続いていた。 背丈を超えるバルディッシュは近接距離であらば、長いリーチと言う大きなポテンシャルがあるが、其れよりも間近、息が届く程の距離ではまともに一振りを降ろす事も不可能! しかし黙して受ける程アントーニョも甘くない!
 バルディッシュを消滅させ両拳鍔に純銀を収束、華奢な少年の鉄山靠を敢えて耐え、フェリクス目掛け剣の純銀を五連射! 緋の魔法少年は右肩、右胸、ソウルジェム直下、上下ずれ左右脇腹に被弾!
 「あぁアぁあああ!」
魔法がストッキング様に容易く破け、軟な肉体に直に伝わる豪裂な痛みに悲鳴が上がる! 緋の腹を大きく蹴り飛ばし、間合いを取り戻したアントーニョは苦虫を噛み潰すえぐい笑みで再びバルディッシュを構築し始めた。

 「いらん事を、しやがって」
明らかに本調子ですら無い、肩で息を切らす荒い息、罪深き魔女【候補】の首を撥ね、悪魔達に恐怖を焼き付けんとする重厚な肉切り包丁染みて三日月斧を引き摺って、深緑の悪しき異端審問官は生き急いでいた。
 魔法少年を、魔法少女を、一人でも多く、殺さねば。 裁かねば。 狂信の裏側に隠れた何かは、愚かな執着に覆い隠された濃い草色の奥底を、じっと確かに見つめていた。