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靴ベラジカ
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魔法少年とーりす☆マギカ 第十二話

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 自身と友の罪を隠蔽する。 日常を守る為、自己を歪ませていったライラック。 親友と二人で共に罪を償う。 穢れた自己を清める為、日常を犠牲にしていった深緑。
 何もかも対照で、相見えてはならぬ補色が出会い混じり合った為に、彼らの人生のピースは歪み、彼らのピースが組み込まれた歯車は瑕疵を孕んだまま廻り始め、周囲の琥珀、緋、草色、黄金、藍、柘榴、無色… 近くにあった何もかも諸共、狂った噛み合いと共に回転速度を上げ、最悪の方向に転落する運命を導いていった。

 金髪ワンレンが身体中を穿つ純銀に呻きながら、簡易手摺一つ無い展望台屋根の端で、地獄の釜の縁で尚、自らを貫く剣を引き抜き、叛逆の機会を伺っている。 頭部と鼻から血を垂れ流しながらも、小生意気な面持ちは崩れずにいた。 無理解の歯を打ち鳴らし、魔法少年宗教裁判の生けるギロチン、深い嫉妬の色を強めた瞳。
 アントーニョは既に余裕も無い疲弊した自身を自嘲するかのごとく、冷たく温度の無い嗤いを上げた。
 「へっ。 諦めろ。 諦めろ、悪魔。 悪魔が居てええ場所なんてこの世にはあらへんよ。
何処にもあらへん。 とっとと地獄で悪魔のつれが堕ちてくるのを待ってろや」

 魔女を憎んだ魔法少年は、魔女の母体、魔法少年達を弱らせて狩り尽くす、ときわの魔法少年史上最悪の大量虐殺を画策し始め、魔女化を恐れた魔法少年は、不運にも出会ってしまった、
 イミテーション・インキュベーター… グリーフシードを産むシステムの真似事の一片を利用し、魔女を養殖しグリーフシードを量産する、おぞましき悪魔の計画に、全く交錯せぬ別々の方向で、勝手に手を染めてしまっていた。
 【魔法少年狩りの魔法少年】、【緑色のジェムの怪物】、【深緑の異端審問官】は、やがて罪深き悪魔。 魔法的完全犯罪者、大量殺人魔法少年を見つけ出し。
 親友にすらもひた隠し、全くの無関係にその日その日を食い繋ぐ、浅葱の傭兵魔法少年をも手駒に巻き込んだ、最悪の魔女パンデミックを引き起こそうと、着々と確実に準備を進めていた。
 計画は破綻した。 遊びの約束を取り付けた親友は、遂にその日、通話に出る事は無かった。