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高杉×銀時←桂 パート2

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橋には一人の僧侶が座っていた

だが通行人はその僧侶にあまり近寄りたがらない


何故かというと―――



(あの目 あの視線 それにあの着物……。間違いない――…高杉だった。何故こんな真っ昼間からあんな人目のつく場所に居たんだ?銀時のため?それにアイツ…俺の存在に気づいてた。あの行為は絶対…ッ!!いやいかんいかん…今の俺は僧侶なんだ。心も扮装しなくては……だが先ほどの事が頭から離れん…今日はもう帰るか?)


そんな事を考えていたため僧侶から険悪なオーラが出ており人々は近寄らなかった







ただ一人を除いて―――








『クククッ…僧侶ともあろう物がそんな事でいいのか?考えてる事がバレバレだぜ?桂よ』


「ッ!?!?!?……高杉…」


『よォヅラァ。悩み事か?僧侶なら心を無にしなきゃならねーぜ?』


煙管をふかしながら全てを見透かしたような目で桂を見下ろし笑う


「ヅラじゃない桂だ。貴様…何をしにきた」



今は会いたくない人物を目の前にし苛々した感じで言葉を返す



『ククッ…まぁそう怒るな。』






「高杉…貴様先ほどの行動は何だ。何故俺を見た。しかも俺に見せつけるかのように…」


『お前は言葉で言っても懲りねぇみてぇだからな。行動で示したまでだ』


「なん…だと?」


『昔から言ってるだろ?……』


『アイツは俺のもんだ…と』


「!!!!!!」



高杉は懐から飴を出し金受けに入れる



カランッ――――――




『お前さんがいくら万事屋に通おうが何しようが…アイツは俺から離れねーよ』



「………」


『それと…なにやらお前の仲間が俺達の周りをかぎ回ってるみてぇだが今回は銀時に会いに来ただけだ。無駄な調べだったな』


「そうか…」


『俺が言いたかったのはそれだけだ。それじゃ俺ァ行くぜ』


「まて高杉!」


港へ向かおうと歩き出した高杉を引き留める



『何だ』


「銀時に…寂しい思いをさせるな」


『!!――チッ…つくづくムカつく野郎だよ てめぇは』


そう言い残し高杉は桂の元を去った






高杉が去ってからどのくらいの時間がたったのだろう

桂がふとあたりを見渡した時には既に空も暗くなり昼間は沢山居た人も今はまったくと言って良いほど居なくなっていた



「ハ…ッ…俺は何をしているんだ…――。エリザベスが心配するな…いい加減帰らなくては」


自分をバカにするような口調で言いフラッと立ち上がった


誰もいない橋をよろよろと歩いていると前から誰かがこちらに向かって歩いてくる





カツッカツッカツッカツッカツッ―――


それは聞き覚えのある下駄の音だった










「まだこげな場所に居ったんか…小太郎」


「さか…もと?」


「まぁ探す手間が省けたっちゅー事か。久しぶりじゃのぅヅラ」


「ヅラじゃない桂だ……何故お前がここに居る」


「ん?あー…おんしにやったエリザベスから連絡がきてのぅ。"桂さんを助けてあげてください"とな…。わしに出来る事なんぞないが心配やきとりあえず来てみただけじゃ」


「エリザベスが…?……狂乱の貴公子との名を持つこの俺がこんな事で心乱されるとは…。なら尚更早く帰らねばならぬな。エリザベスを安心させてやらんと…」




辰馬の顔をろくに見ずそのよろよろとした足取りで先を急ごうとしたがそんな桂を辰馬は少々荒く止める







「おんしゃこげな足取りで…こげな顔してどこ行くっちゅーがか!?そんな姿見せても余計心配かけるだけぜよ!!」


「なにを言っているんだ坂本。俺はいつもと変わらない。離せ…」



拒否する桂を離そうとはせず桂の笠を取りながら話を続ける



「なら何故わしの顔見ないんじゃ!?そんな目に涙溜めた顔しおって…おまんは馬鹿じゃ…我慢しすぎなんじゃよ。わしに全部言うてみぃ小太郎。」




すると桂は糸が切れたかのように膝から崩れ落ち溜めきれなくなった滴が目から零れる


「小太郎…おまんがこげな顔するっちゅー事は銀時達の―――」


「今日 銀時と高杉が一緒に居てキスしてるところを見た…。その後ココに高杉が来てまたあの言葉を言われてしまったんだ」


「"アイツは俺のものだ"…か?」


「あぁそうだ…」


「ほうか――わしらが戦ってた時からの口癖じゃなありゃー…。そりゃ辛かったのぅ小太郎。」


「今朝万事屋に行ったとき銀時に聞かれた。"今高杉がどうしてるか知ってるか"と…。そんなことがあったから今日はずっとこんな顔だったんだろう。エリザベスにもお前にも迷惑かけてしまったな…すまない」


「いやわしゃええんじゃ。だがおんしゃ…どうするんじゃ?」







「アイツらの仲を裂こうとは思ってない。ただ銀時が寂しそうな顔をするところは見たくない…。高杉の代わりになれないことは重々承知だ。だが少しでも笑ってくれるなら俺は…――」



辰馬は桂の頭をなでながら言う



「やっぱりおんしゃ馬鹿ぜよ…。こんなになってまで銀時の事を……おまんは優しすぎるんじゃ」






ポタ――――ポタポタ――



桂は零す滴の量を増やした



「俺は……好きなんだ…銀時の事が……昔からずっと……。この胸の痛みも…自分の気持ちにも…もっと早く気がつけばよかった…。……たとえ銀時が振り向かずとも俺は…―――」


「あぁ……あぁわかっちゅー…。わしはわかっちゅーよ小太郎……。おまんが泣き止むまでココに居ちゃる…だから今日くらい我慢しないで泣けばええんじゃ…」


「……すまぬ………っ……………」











我慢していたものが一気に溢れ出てきて桂は暫く泣き続けた――――