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ジメジメ

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すずめside
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久しぶりのデートだけどあいにくの雨。

どこも行くところがなくて、
大輝の家に行くことになった。

いよいよ、いよいよなのかな?

ゆゆかちゃん達には、
まだシてなかったの?と驚かれてしまった。
付き合ってもうすぐ2年だよ?
馬村くんに同情する!
と、責められてしまった。

えっ普通はそうなの?

でもでも、そういう雰囲気にならないんだけど…

心の準備ができるまで待ってって
言っちゃったけど、
いつできるもの?わかんないよ。

でも、大輝に触れられると嬉しい。

もっと触れてほしいと思う。

触れられるとドキッとする。

いよいよ?って思って身構えてしまう。

でもそうすると大輝はすぐ手を引っ込める。

大輝はそういうの、
もうどうでもよくなっちゃったかな。

待たせすぎたかな。


ぐるぐるぐるぐる、
つい考え過ぎてしまう。

映画の内容が全然頭に入らない。

自分から触れたりしてもいいもの?


近いのに触れてない肩。

そこに心臓があるみたいに
ドキンドキン脈をうつ。

体温があがる。

顔がカーッとなる。

腕…細いのに筋肉しっかりついてるんだなぁ。

指も…長いなぁ。

最近会うと、こんなことばかり考える。

会えないせい?

一緒に過ごしているのに、
こう距離を置かれると、
抱きしめてほしいなぁとか、

キスしてほしいなぁとか、

自分からしたら大輝は引くかな?とか

つい考えて、どうやら
眉間にシワが寄っていたらしい。


「オマエ、また何か考えてんだろ?」

「え"っ?!」

ヤバイ、声が裏返った!

映画に集中してないのがバレてしまった。

恥ずかしい////!

「いやっ?なんでもないよ?」

「ウソつけ!」

頬をグイッとつねられる。

「何でもないってば。」

大輝はいつも普通なのに、
こんなこと考えてるなんて知れたら
恥ずかしいじゃん!

それとも何?

心の準備できましたーとか
言わないとダメ?

っていうか、できてるかどうか、
と言われると、できてない…気がする。

でも考えてしまう。

大輝はすぐ私の考えを見抜くので、
目を合わせないように手でガードしたら、
バランスを崩して倒れそうになった。

「うわっ!」

「あっオイ!」

ガシッと抱きとめられたと思ったけど、
結局はずみで一緒に倒れてしまった。

「いたたた。」

「何やってんだよ。マジで。」

「ごめん…」

と、ふと声のするほうを見ると、
目の前が大輝の顔だった。

お互いの目がバチッと合って、
自分でもわかるくらい
みるみる顔が赤くなった。

キスは何度もしてるはずだけど、
この体勢でこの距離は恥ずかしい!

床の上に私が仰向けで、
大輝が覆いかぶさる感じで。

鼻が触れそうなほど近い。

わーーーーーーーっ!

恥ずかしいのと、喜んでる自分と。

よくわかんないけど半々?

この後、どうしたらいいのかな?

そんなふうに思って目をギュッとつぶると、

「悪い。」

と言って、大輝も顔を背けて
体を起こした。

え?

えーーーーーーっ?

離れてっちゃったよ。この人!

なんで離れるの? 

「映画観ないなら切るぞ?」

そう言ってデッキのスイッチを切って、

「家まで送る。」と言われた。

「う、うん。」

すごい肩透かし感。

触れてほしいのに。

触れたいのに。

家に帰ると、頭で考えちゃう、
と言うより、すごく悶々として、
ため息ばかりが出た。

「私、なんだかおかしい。」

続く雨のせいだろうか。

心がジメジメする。

すずめは自分の内側で
何かがくすぶってるような気がした。


作品名:ジメジメ 作家名:りんりん