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庄ちゃんのゲリラ攻撃

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ここは一年は組の教室です。
午前中の授業は教科なので教室で行います。
みんな席に着いて…ないです。
ぼくのクラスは先生が教室にいらっしゃるまで大抵おしゃべりしたり出歩いたりしてます。
…乱太郎ときり丸としんべヱの机の上に忍たまの友がないんだけど。
あ、忍たまの友っていうのは、忍術学園の教科書のことです。知ってますよね。

「おーい、土井先生がいらしたぞ!

庄左ヱ門が満を持して入室です…!
庄ちゃんの一声でちりぢりになっていた十人がきちんと着席。
そして空いているぼくの隣の席に庄左ヱ門が着席。

おはよう、庄左ヱ門♪

「おはよう、伊助。

あー…この瞬間がぼく、一番幸せ……。
今日も庄ちゃんはかっこいい…。



授業は、三人組が教科書忘れて土井先生に怒られたり、当てられても庄左ヱ門以外答えがわからなかったりと、いつものように進みました。
…いや、進みませんでしたって言った方が正しいのかな?



「では、午前中の授業はこれまで。
「「「「「ありがとうございましたー。

授業が終わると昼ご飯なのですが…。

「待て!今日のお前達に昼ご飯はない!

えーっ!?

「午後から実技担当の山田先生が出張に行かれる。他の実技の先生方も忙しくて代わりに授業ができない。だが!うちのクラスの授業は遅れまくっているのでそのまま自習にはできない!よって!昼ご飯の時間に補習授業を行う!

そんなー!
ぼく達の昼ご飯はどうなるのー?



昼ご飯抜きで受けた実技の授業はひどいものでした。
なんとか短い補習授業が終わって、食堂に行ったら思った通り売り切れ。
午後は裏山のランニングの自習なのに、何も食べないなんてしんべヱでなくても無理だよー。

「伊助ー!

はっ!あの声は庄左ヱ門。

「伊助、これ食べて。

庄左ヱ門が差しだしたのは、お盆に乗った十一個の白米のおにぎり。

「食堂のおばちゃんにお願いして、なんとかは組の人数分のおにぎりを作ってもらったんだ。物足りないかもしれないけど、ランニングもあるし何か食べておかないとでしょ。

うわー!庄ちゃーん、ありがとー!!
さすが学級委員長、すごくかっこいい…!
しかもおにぎりが十一個あるということは、ぼくのところに最初に来たってこと!?
ぼく…庄左ヱ門の同室で本当によかった…。

「ランニングは正門前に集合だから、遅れないようにね!

わかったよー、しょーざえもーん。
…はっ!
庄左ヱ門は一人では組十人分のおにぎりを配るつもりなんだ。
ぼくとしたことが、手伝おうかの一言も言えなかったなんて…!
おにぎりを食べたら追いかけなきゃ!



うわぁ!
庄左ヱ門を追った先には団蔵が棒立ちしてる…いや、してました。
手にはおそらく庄左ヱ門からもらったおにぎりを持って、空を見上げています。
団蔵どうしたの?

「……っは、伊助。いたのか。

それ、庄左ヱ門からもらったおにぎりだろ?
食べないの、どっか具合悪いとか?

「ううん。そうじゃないんだ…。庄左ヱ門がさ…、

えっ、まさかこのパターンは…。

『あー…腹減ったな…。昼飯抜きでランニングかぁ…。
『あっ。だんぞー!
『庄左ヱ門!
『団蔵も、お昼食べられなかったんでしょ?
『うん。そのおにぎりは?
『食堂のおばちゃんに作ってもらったんだ。よかったら食べて。
『ああ…ありがとう!
『じゃ、ランニング、遅れないでね!
『あー待って!庄左ヱ門一人で配るの大変だろ?おれも手伝うよ。
『え?
『は組の連中探すの大変だろ。二手にわかれておにぎり配ろうよ。
『大丈夫。みんながいるところ、なんとなく見当ついてるから。
『そう。さすが、庄左ヱ門だな。
『ぼくの方こそ、団蔵には感謝してるよ。いつも団蔵のフォローに助けられているからね。
『そんな大したことしてないって。おれにできることがあれば言ってくれよ。
『団蔵のそういう頼りになるところ

ぼく、好きだよ。

『お…おぉ…。
『じゃあね!

「庄左ヱ門に……、はぁー…。おれ、今日のランニングがんばれる。

全然大丈夫そうに見えないよ!
完全に骨抜きじゃんかよ!



ランニングの時間が近付いてきましたが、汗拭き用の手拭いを忘れていたので部屋に取りに行きます。
あっ、庄左ヱ門の手拭いも持っていってやろう。
さてと正門前に…て、おや?
通り過ぎた長屋の部屋の中に誰かいました。
もうランニングの時間なのに、早くしないとみんなと一緒にスタートできません。
ここは…乱太郎・きり丸・しんべヱの部屋です。
いったい誰が…あ!きり丸!
内職の荷物を部屋いっぱいに広げて、その真ん中にきり丸がいます。
でもその手は止まっています。
きり丸!何してるの、ランニング始まるよ!

「…あ、あーぁ伊助、何?

何?じゃないでしょ。
もうすぐ午後の授業始まっちゃうよ、内職片付けて正門前に行かなきゃ。

「あーいっけねー!もうそんな時間なのかよ。飯食って行かなきゃ!

飯食ってって、庄左ヱ門がおにぎり配ってたのはだいぶ前の時間だけど…
あ!庄左ヱ門のおにぎりがまだある!

「庄左ヱ門が届けに来てくれたんだ。…あ。

…?どしたのきり丸。

「伊助…、実は庄左ヱ門がおにぎり届けてくれた時に…、

『きりまるー、っと!
『おお、庄ちゃん。
『うわー今日も一段と多いね。
『そりゃね。昼休みが補習になっちまった分取り返さなきゃだから。
『ごめんね、邪魔しちゃって。
『別に、これくらい邪魔になんないよ。それより何か用?
『ああ、昼ご飯のおにぎり。手が空いた時にでも食べてよ。
『あ…、今日は食費浮いたと思ったんだけど…。
『もう!きり丸ったら~。ぼくが食堂のおばちゃんにお願いして作ってもらったものだから、タダだよ。
『タダ!!?
『もしお金を請求されてもぼくが払っておくから。
『うあぁん、庄ちゃあん!学級委員長さまあ!
『目はゼニにするか泣くかどっちかにした方がいいと思うよ。…ふふ、きり丸のためだよ。どんなアルバイトでもこなしちゃうきり丸のこと、すごく尊敬してる。勉強もアルバイトもがんばってるきり丸、

好きだから、

ぼく、応援してるよ。
『あ…え……?
『おにぎり、ここに置いとくよ。がんばってね、きり丸!

「好きってさ……おれのこと…、あんなふうに庄左ヱ門から言われると……。

きり丸…。
って!シリアスな表情でいきなりふやけるなー!
は!ランニング遅れちゃう…、きり丸急げ!
立て!走れー!
内職は置いていけー!!
作品名:庄ちゃんのゲリラ攻撃 作家名:KeI