独占欲
そう言ってやってきたのは獅子尾だった。
「先生!」
「ゲ、先生?」
「行こうぜ。」
すずめが先生と呼んだ声で、
ヤバイと思ったのか、
男達はすぐ退散してくれた。
「あ、ありがとうございます…」
すずめはすごくホッとした。
獅子尾といて、こんな気持ちになったのは
久しぶりだった。
「あのね、キミは何ナンパされてんの。校内で。」
「えっナンパ?」
「どう見てもナンパでしょ?」
「はぁ。」
「すごく綺麗なんだから
ちょっとは自覚しなさいね?」
「へっ。は?キッ////」
綺麗??
獅子尾の言葉にすずめは思わず顔を赤らめる。
ドカッ
獅子尾の背中が誰かに蹴られ、
「おわっ」
という奇声とともに
獅子尾は前につんのめった。
獅子尾が振り返ると、
馬村が怖い顔で立っていた。
「ナンパ野郎はお前だろうが。」
「まむっ…お前!教師を足蹴にしたり
お前呼ばわりすんじゃねえよ!」
「教師が生徒ナンパしてんじゃねえよ!」
「してないわ!助けに来れなかったくせによ。」
獅子尾の言葉にカッとなった馬村は、
すずめの腕をとって歩き出した。
「わっ!馬村?!」