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機動戦士ガンダムRSD 第5話 癒えぬ傷

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「私もサボる」
 ミサキ中尉は、そんなことを言った。
「さりげなく『も』っていうなよ。
俺は、ちゃんと任務に出るから」
 ウォーレン中尉がそういうとミサキ中尉は、不満そうな声を上げた。
(これじゃキリがないな。
仕方ない、ここは手っ取り早く)
「それじゃあな」
 ウォーレン中尉は、強行逃走を図った。
「話は、まだ終わってないのに」
 ウォーレン中尉は、ミサキ中尉の言葉を背中で聞きながらダッシュした。
(脱出成功。
まだまだ甘いな、ミサキ中尉)
 ウォーレン中尉は、急いでドゴス・ギアに戻って行った。
(そういえば医務室で栄養ドリンクをもらうのを忘れてた。
これじゃ医務室に行った意味がないよ)
 ウォーレン中尉は、後悔しながらドゴス・ギアに戻って行った。

            ※

 アメノミハシラは、サトー部隊が寄港してから静まり返っていた。

            ※

 サイド3にあるタイガーバウムでは、観光用に乗馬体験などもできていた。
その一等地の屋敷では、ロゴスメンバーが招集されていた。
「さてと、とんでもない事態じゃの」
 ロゴスメンバーの1人がそういった。
「まさに未曾有の好機。
コーディネイター滅亡のシナリオですな」
 ロゴスメンバーの1人が嬉しそうにビリヤードをしながらいった。
「書いた者がいるのかね」
 ロゴスメンバーの1人が皮肉っぽく質問した。
「それは、α艦隊が書くでしょう」
 ロゴス代表のケルベス・クロケットがコーディネイター滅亡のシナリオは、α艦隊によってもたらされると考えていた。
「大丈夫なのか?」
 ロゴスメンバーの1人が心配そうに聞いた。
「二兎を追う者は一兎をも得ず」とは、昔から言われているからだ。
「大丈夫ですよ」
 しかしケルベスは、自信満々に答えた。
「今更遊撃艦隊なんぞに調べさせて役に立つのかな」
 ロゴスメンバーの1人が軍上層部の対応を不満がった。
「正義の鉄槌を下すのも良いですがやはりとびかかる火の粉を払い消火するのが後世にも正義と示しやすい」
 ケルベスは、軍上層部の対応を適切だと述べた。
「しかしこの招集はなんだ、ケルベス。
まあ、政府がよもやあれをこのまま見過ごすとは思ってはおらんが。
一応株価の暴落対策に忙しいのだぞ、皆」
 ロゴスメンバーの1人が自分たちの仕事を優先したいと愚痴った。
「この度のことには、正直申し上げて私も大変ショックを受けましてね。
オーブがまさかそんな一体何故?」
 ケルベスは、わざとらしく言った。
ロゴスメンバーの1人がビリヤードでミスをして舌打ちをした。
「まず思ったのは、そんなことばかりでした」
 ケルベスは、落ち着きながら続けた。
「前置きはいいよ、ケルベス」
 ロゴスメンバーの1人は、早く本題に入らないケルベスにいらだった。
「いえ、ここが肝心なのです」
 ケルベスの言葉に皆は、注目した。
「現在政府と軍によって報道規制が行われており民衆は、この事態を知りません。
しかしオーブと武力衝突すれば否応なしに報道規制を解禁せざる負えない。
そしてこれを知った民衆の誰もがそう思うこととなるでしょう」
 ケルベスの言葉に皆は、反論できなかった。
「ならば我々は、それに答えを与えてやらねばならない」
 ケルベスの言葉にロゴスメンバーは、納得した。
「ベルリ首相は、既にオーブに警告を発し戦争回避に自分達は全力を挙げるとメッセージを送ってきました」
 無論この声明は、発表されていない。
ケルベスは、極秘裏にこの情報を得た。
「速い対応だったな」
 ロゴスメンバーの1人は、政府の対応の速さに感心していた。
「彼らは、もう戦争はこりごりだと感じているのでしょう」
 ロゴスメンバーの1人は、政府の心情を悟った。
「そうなると民衆も戦争に対する反対者も出てくる。
そうなるとコーディネイター滅亡のシナリオも危ういのでは?」
 ロゴスメンバーの1人は、戦争への突入自体難しいと感じていた。
「いえ、そんなことなどもうどうでもいいんです」
 ケルベスの発言に皆は、興味を持った。
「重要なのは、この事件の後『何故こんなことに』と嘆く民衆に我々が与えてやる答えの方でしょう」
 ケルベスは、既に先のことを考えていた。
「やれやれもうそんな先の算段だか」
 ロゴスメンバーの1人は、ケルベスの先読みの高さに感心していた。
「無論。
原因が何であれコーディネイター製の要塞に戦力が召集したことだけは、確かなのです。
どういう事です、これは。
我々がちゃんと条約を守っているというのにコーディネイターが守っていないとは」
 ケルベスは、憎しみを含ませながら言った。
ロゴスメンバーは、少々言い過ぎでないかと感じたが反論できなかった。
「この屈辱は、どうあっても晴らさねばなりますまい。
誰に?
条約違反をしたコーディネイターどもにです。
違いますか?」
 ケルベスがそういうと皆は、再び言い過ぎではないかと思ったが反論できなかった。
「それは、構わないがな」
 ロゴスメンバーの1人は、反論しなかった。
「だがやつらも君と同じ考えを持ってこの作戦を指揮したはず。
返り討ちになる可能性もある」
 ロゴスメンバーの1人は、再三のコロニー直接攻撃を危惧した。
「だから今日お集まりいただいたのです」
 ケルベスは、招集した理由を言った。
「避難も脱出もよろしいですが迎撃後に我々は、一気に打って出ます。
例のプランで。
そのことだけは、皆様にも御承知おき頂きたくて」
 ケルベスは、既に敵がどのように出てどのように対策するかも考えていた。
「なるほど」
「強気だな」
 ロゴスメンバーは、ケルベスの推しに負けた。
「コーディネイター憎しでかえって力が湧きますかな、民衆は」
 ロゴスメンバーの1人は、民衆の力に疑問を持っていた。
「残っていれば」
 ロゴスメンバーの1人は、コーディネイターへの憎しみが民衆に残っているか疑問だった。
「そのための答えでしょう」
 ロゴスメンバーの1人がそのロゴスメンバーに説明した。
「皆は、プランに異存はないようじゃの、ケルベス」
 ロゴスメンバーの1人が諦めたように言った。
「ありがとうございます」
 ケルベスは、皆に感謝した。
「では、次は事態の後じゃな。
君は、それまでに詳細な具体案を政府と軍に提出してくれ」
 ロゴスメンバーの1人は、ケルベスに大切な仕事を任せた。
「はい」
 ケルベスは、満足そうに言った。
「しかしどれほどの被害になるのかね」
 ロゴスメンバーの1人は、コロニー直接攻撃での被害を危惧した。
「戦争は、いいが先手を打たれるのは困るね。
どちらにせよ青き清浄なる世界の為にさ」
 ロゴスメンバーの1人は、それでもコーディネイターへの憎しみで民衆を束ね結束して戦おうと決意した。
 ロゴスメンバーは、各々帰って行った。
屋敷に残ったケルベスは、ロゴスメンバーが虫唾が走るほど嫌いでビリヤードの球を投げ鏡を割った。

           ※

 α艦隊は、アメノミハシラに急行した。
「第541遊撃艦隊が先行して哨戒任務を行っている」
 マーカー艦長が部下に状況を伝えた。
「月側には、何か動きはないのですか?」