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仮面ライダーGLAY 第一話コード・グレイ

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ぼやけた視界には機械の前に立つ数名の「何か」が話をしている様子だった。
「いやぁっ、離してよバケモノ!」
そう、「何か」と、表現したのは明らかに人間のそれとは違うシルエットであっ
た。それはぼやけた視界でもはっきりとわかる程、人間ではなかった。その異
形の者達に、人間の女性が捕まっているようだ。
「やれやれこれだから人間は・・・早く黙らせろ・・・」
バギィッッ!
何をすればそんな音が出るのかわからないが、それから女性の声は聞こえなく
なった・・・
バケモノは不思議と日本語を話している。
「ほっ、コード・グレイが目を覚ましたか・・・」
異形の者たちがぞろぞろと近づいてくる・・・・
先頭にはフードを被った目が四つの者、その隣には大柄なオオカミ男、他にも
人ならざる者が奥にも見える・・・
「なんだ・・・コスプレか?・・・ここは・・どこだ・・・」
「ほっ、脳波は正常。自我もあるようだ。多少調整しているがペンタゴンコア
のエネルギー循環でも脳組織へのダメージは無いようじゃな・・・・」
「おい答えろよ・・・コスプレ・・野郎・・・」
猛烈な頭痛に耐えながら問いかけるが、オオカミ男が下品な大声でそれを遮る。
「フンッ!人間なんぞにペンタゴンなど使いおって。人間など改造してもカス
はカスよ!無駄な研究だな!」
「ほっほ、その人間に滅ぼされかけたのであるから侮れぬものよ・・・のぅワ
ルフよ・・・。お主もペンタゴンコア。我々の細胞では一過性ではあるが、地
球環境下では環境に適応すべく細胞退行が起きる。強いコアと融合している者
はその分適応期も時間がかかる・・・。今は6割も力は出まい?地球の人間を
改造した場合細胞の退行が無いので即戦力になる可能性があるのじゃ。」
「ふんっ、人間相手ならば半分程度の実力でも構わぬわっ!心配不要よ!しか
し・・・よくペンタゴンが適応できたな?司祭?」
「ほっ、それじゃ。通常であればペンタゴンコア程強力なコアと融合させれば、
エネルギー循環の際に人間の臓器なぞ深刻なダメージを受けるのじゃが・・・。
この男の筋力は人並みだが、臓器細胞の適応性は異常じゃい。古い手術跡があ
ったようじゃが・・・。それと関係があるのかのぅ・・・。」
フードの化け物と大柄の異形の者たちが何か話をしている。
どうやら自分の拘束を解く気は無いようだ・・・・
思考もままならず意識は朦朧としておりやはり夢なのかと思えるのだが、この
嘔気と頭痛は妙にリアルだ。
「ふんっ、俺様が適応期を抜けたら、司祭の酔狂も時間の無駄だった事がわか
るだろう。」
「まぁ・・・、頼りにしておこう。では外部端子からマインドコントロール波
負荷試験を。」
「お・・・い・・・・」
「おっと、その前に意識が正常か試してみるか・・・少し脅かしてみよう・・・・
おい、そこの鏡を持ってこい。」
異形の者達は自分をまるで人として扱っておらず、苛立ちすら感じる・・・
「ほれ、お前の姿だ、コスプレ野郎はどっちかな?」
鏡に映り込んだのは異形の者とさして変わらない自分の姿だった。
全身は灰色のスーツだし、緑色の大きな魚眼レンズは目のようだが、悪趣味な
マスクをしているのか・・・はたまた・・・・
「うわぁーーーーーっ!!な!なんだ!!!」
「ほほっ、正常じゃな・・・よし外部端子に電波を。負荷試験を開始しよう。」
首輪のようなものに電流が走り、強い衝撃と共に更に意識が朦朧としてき
た・・・・
自分に何が起こったのかわからないまま灰色の男は再び目を閉じる・・・



〜4日後〜

 喫茶キャピトラでは光太郎がディナーの仕込みをしていると、ドアを蹴破る
勢いで明日香が入店してくる。
「ただいまー!光太郎!ジュース!」
「おいおい、扉を壊す気かい?もう既にガタがきてる所もあるんだから勘弁し
てくれよな。まだ夜は寒い・・・ん?はるかちゃんは?」
「はるかちゃん今日も風邪でお休みだったんだ・・・。さっきお見舞いに行っ
たんだけど寝てるのか留守なのかわからないけど会えなかったんだ〜。あれ?
今日はサブの奴は遅番な訳〜?八つ当たりしてやろうと思ってたのに!」
さっさとカウンターに座ってむくれているが、既におしぼりで手を拭きおやつ
に備えている所はさすがであろうか・・・
「だからって店のドアに八つ当たりしちゃあダメよ!」
ひとみが掃除をしながら一喝する。
「そうか・・・はるかちゃんのお父さん帰り遅いもんな・・・。よし、明日は
お店臨時休業だから皆でお見舞いに行こう!」
「いいわね、そうしましょう!あたしお弁当作っていくわ!」
「賛成!じゃあ光太郎はおやつね!」
「おいおい、俺は自動おやつマシーンじゃないぞ!?」
むくれていた明日香にも笑顔がこぼれる。いつもなら明日香の横で可愛らしく
クスクス笑うはるかの姿があるのだが、あまり主張をするタイプの子ではない
がやはり居ないと寂しいものである。
(仕方ない、19区の調査は来週に行こう・・・)


 その夜、21時30分。最後の客が爪楊枝を咥えながら店を後にする。
平日でも集客は悪くないが、土曜の夜となると予約で埋まる事もある。
基本平日は光太郎とディナーのバイト一人で回しているが、金・土の夜はバイ
ト二名の体制で業務を回すのだ。
「ふぃ〜、光太郎さん!今日は一段と忙しかったですね!」
かちゃかちゃと手際よく銀のお盆に空いた大量の皿を乗せ後片付けをしている
のは、バイト歴3年 関 詩織(せき しおり)ちゃんである。ポニーテール
と水泳で鍛えたスレンダーな体つき、健康的な小麦色の肌が特徴的な彼女は都
内の大学4年生だ。非常に要領が良く、どんなに忙しくても業務を円滑にこな
してみせる。また、いつもハツラツとしており明るい性格の彼女に光太郎も絶
大な信頼を寄せているのだった。
「あはは、さすがの詩織先輩でも今日は堪えたかい?軽くまかない作っといた
から掃除の前にサブちゃんも呼んで皆で一緒に一息入れよう。」
「キャッ!やったー!サブちゃーん!!片付けいいから休憩しよーってさ!!」
光太郎は厨房で汗を拭いつつ、さっと作ったポークジンジャーと牛ステーキ入
りレタスチャーハンをカウンターに用意する。光太郎特製ポークジンジャーは
ステーキ用のソースが絶妙な加減でミックスしており、詩織はこの光太郎がた
まに作る裏メニュー的まかないが好物で、キャッと小躍りして見せた。
「マジすか!それ賛成―ッス!」
店の看板を両手で抱えながら入って来たのは山本 三郎(やまもと さぶろう)
通称サブちゃんだ。三郎といういぶし銀な名前とは裏腹にやや軽めな性格でお
調子者。昼もディナータイムもこなし、光太郎にとってのシフトの神様である。
彼もまた詩織と同じ都内の大学3年生であるのだが、大学の単位はどうこなし
ているいるかは聞かない事にしている。
「頂きまーす!」「いただきぃっす!!」
二人ともエプロンを外しカウンターに座ると光太郎からのご褒美に飛びついた。
「はぁ〜!やっぱこの味よね〜!疲れと本命の内定ガンガン蹴られた痛みも吹
っ飛ぶわ〜!」
「あっ・・・、詩織先輩就活イケてないんすか!?」
「うっさいわねぇー!」