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同調率99%の少女(1) - 鎮守府Aの物語

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--- 5 提携ならず



 一方で那美恵の高校では、なかなか艦娘部の発足と鎮守府との提携の話が進まないでいた。学校側がそれほど乗り気ではないのだ。原因の一つに、職業艦娘にさせられる、志願する女性教員がいないのと、技師免許を取得したいと願い出る教員もいないのだ。もう一つは、生徒を戦いに巻き込みたくないという校長の考えがあった。
 大昔、那美恵たちの学校の近くにあった小学校(20xx年現在ではすでに廃校になって久しい)では、ある集団との戦いに生徒が巻き込まれた。撃退はしたが、その小学校で苦い思い出をした経験者の一人とされるのが校長だった。
 そういう苦い体験を言われては提督も無理に学校側を誘い続けるわけにも行かず、提携の話は消えそうになっていた。那美恵と提督は、そういう反応を示す校長らを説得出来るだけの材料をまだ用意出来ていなかったということも、その現状を生み出す一要素になっていた。

 那美恵は納得がいかなかった。せっかく艦娘になれたのに、活躍して自分の学校の知名度をあげたり、補助金をもらって学校のために尽くしたいと思っていたのに、それがかなわない。
 本当のところは、戦うヒロインとかアイドルとかそんなことを想像していたが、今はそういう個人的な思いは優先させるべきではないとして那美恵は真面目に前者の気持ちでどうしようと考えあぐねていた。


 那美恵は生徒会長の立場を利用して、部発足のために署名を集めるようとも考えたが、まだなりたてで活躍していない以上はたんに署名を呼びかけても、心からの署名収集にはならない。学校内では自分に人気があることは自覚していたが、それを笠に着てやりたくはない。人気や職権濫用はダメだ。

 しばらくは普通の艦娘として、学校とは切り離して考えて艦娘の活動をすることにした。