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英雄プルート

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目を覚ましたプルートは見慣れない部屋にいました。
目の前には何本もの鉄の棒が立っていました。
ボヤボヤする目をこすり、よく見回して気付いたのです。
自分が閉じ込められていることに。
慌ててその鉄の棒を引っ掻いたり、噛んだりしてみましたが、びくともしませんでした。
いつの間にか筋肉質な男もいませんでした。
自分の檻の外を見ると、同じような立場の犬や猫などの動物が何匹もいました。
ですがやけに部屋の中は静かでした。
その動物たちは皆、吠えたり噛んだり出来ないように口輪をはめられて、疲れきっているのかぐったりとしているのです。
今物音を立てているのはプルートだけでした。
プルートの向かい側の白くて大きな優しそうな犬がプルートを見ました。
その犬は珍しく口輪を付けていませんでした。きっと噛んだり吠えたりしないのでしょう。
プルートは犬の言葉でここはどこなのか聞きました。
話によると、ここはとても怖いお家みたいです。
どんなに助けを呼んでも誰も来てくれない。
そして、最後には…
そこまで話してくれた時、大きな音と共に無表情の男が入ってきました。
制服のようなものを着ています。
そしてその人は目の前の白い犬の檻を開け、抱きかかえました。
犬は最後にプルートを見ながら一筋の涙を流した後、

「さようなら」

と言いました。
プルートは何が起こるのかわかりませんでしたが、とても悲しく辛い気持ちになりました。
プルートはどうにか脱出出来ないかと、いろいろと頭を悩ませているうちに眠ってしまいました。

作品名:英雄プルート 作家名:ぺり