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英雄プルート

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ミッキーは保健所の受付まで走っていきました。
すぐに状況を説明して、プルートを返して欲しいと伝えました。
ミッキーの話を聞いた受付の人は首を横にゆっくりと振りました。

「あの子はもう返すことは出来ません。罪を犯した動物は…」

その後の言葉を聞いて、ミッキーは真っ青になりました。
力の入らない足を何とか動かしながらプルートの元へ急ぎました。

檻から出してもらえたプルートはるんるんと男の後をついていきました。
やっとお家に帰れるんだ。
そう思い尻尾を振りながら上機嫌でした。
すると無表情の男が立ち止まり、プルートを抱きかかえました。
目の前には大きなオーブンのようなものがりました。
そのドアが開かれると中は真っ暗でしたが、どうやら広いようです。
ここが出口なのかな、プルートはそう思い、無表情の男にされるがままその中に入りました。
きっと奥の方にドアがあるんだ、と奥の方へどんどん進みました。
バンッ 急に今自分が入ってきたドアが閉められました。
先程まで少しの光が入っていたのに、今ではもう真っ暗。
自分がどちらに進めばいいか分からなくなってしまいました。
しばらくすると、シューーーという大きな音が聞こえ出しました。
そして変な匂いもしてきたのです。
鼻を使ってその匂いの元へ近づきました。
急に鼻が痛く、のどが痺れ始めました。
急いでその場から離れ走りだしましたが、すぐに壁にぶつかりました。
色んな所に走っても、すぐに壁にぶつかってしまいます。
匂いはどんどん濃くなっていきます。
ただでさえ口輪をしていて鼻でしか息が出来ないので、すぐに苦しくなってしまいました。
パニックになったプルートは暴れだして精一杯音を立てました。
たくさん動くので余計に苦しくなりました。
そして胸の辺りが凄く熱くなってきました。

作品名:英雄プルート 作家名:ぺり