二次創作小説やBL小説が読める!投稿できる!二次小説投稿コミュニティ!

オリジナル小説 https://novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
二次創作小説投稿サイト「2.novelist.jp」

同調率99%の少女(3) - 鎮守府Aの物語

INDEX|23ページ/26ページ|

次のページ前のページ
 

--- 9 幕間:深夜の少女たち




 鎮守府Aに向けての報告メールは、最初は五月雨が意気込んで作成していたが、そのうち船を漕ぎだしたので、隣にいた那珂は肩を叩いて彼女を現実に戻す。

「五月雨ちゃん、続きはあたしが作っておくからさ、あなたはもう寝ていいよ。」
「ふぇ……?あ、すみません……眠いではす……」
「ホラホラ。眠さが文章に出てるよ。あばばばっっっっhghghghとか素敵な文章が混じってるし〜」
 五月雨がコックリコックリして適当に打ってしまった文章にクスリと笑いつつ指摘する那珂。
 寝ぼけていて言動が怪しくなっている五月雨を寝具に誘導し、那珂は彼女を寝かしつけた。

((くぅ〜なんかかわいいなぁ〜。妹いたら、こんなふうなのかな〜))

 別種の何か趣向が芽生えそうな気持ちを感じ始めていた那珂はブルブルと頭を振り雑念を振り払って、五月雨から引き継いだ書き途中の報告メールの映るノートPCに向かった。


--

 一方別の部屋ですでに寝ていた五十鈴は、天龍に"叩き"起こされていた。

「ょぉ〜 五十鈴さんや起きてるか?」
気持よく寝入っていたところを叩き起こされてたため、五十鈴の顔には普段絶対他人には見せない素の怒り顔がにじみあがっていた。

「あ゛ん゛だねぇ……!起きてるかじゃなくて起こされたわよ゛!!」
 怒る五十鈴をサラリと流して天龍は続ける。
「まぁまぁ。あんたと那珂とで飲みたいんだよ。どうだ?」
「わたしたち未成年でしょ!? あなた何考えてるのよ!」
 当たり前のことを言い怒る五十鈴。

「実はあたしさ、二十歳超えてるんだぜ。」
「いやいや、聞いてるわよ。あんたも高校生だっていうじゃないの。」
「別にあたしたちは本当の兵士ってわけじゃないし、ここ学校じゃないんだからさぁ。ほら!少しくらいやろうぜ? 一度さ、勝利の祝い酒ってやってみたかったんだよ!」
 アルコール度数がものすごく低い、この時代の若者の間で流行っている、未成年でも飲めるジュースのようなお酒の銘柄の缶をチラリと五十鈴に見せる。さすがにガチで本当のお酒を飲みたいというような人物ではなさそうなのは、半分眠っている五十鈴の頭でも理解できた。五十鈴は眠い目をこすりながら色々突っ込もうと思ったが、頭が働かないし多分今のこの少女に何を言っても無駄だと悟った。流れに身を任せることにした。面倒だったので着がえず、持ってきて着ていたパジャマのまま。

「……わかったわよ。付き合えばいいんでしょ。じゃあ那珂のところに行きましょ。」

 部屋を出て、那珂のいる部屋に向かう五十鈴と天龍。
「ところであなたの側にいた龍田って娘は?どうしたのよ?」
「あー、あいつはあたしの従妹なんだ。中学生を誘うのはちょっとなぁ。」
 中学生も高校生も大して変わらねぇよとツッコミを入れようとしたが、五十鈴は諦めて適当に相槌を打つのみにした。


--

 報告メールを打ち終わり、ぐっと背筋を伸ばして背伸びをする那珂。その時ガチャっとドアが開いた。ドアの方を見ると、天龍と五十鈴が顔を表した。


「よ!那珂さん!起きてたか?」
「うん、ちょうどいま報告メール終わったところだよ。」
「そりゃあいい。実はこんなもの持ってきてるんだ。聞きゃあ3人とも同じ学年だっていうじゃない。同い年の女3人でちょっと飲もうぜ?」
 五十鈴に見せたように、ジュースのようなお酒の缶をチラチラ見せる天龍。

「あー、あたしそういうの飲んだことないんだけど、大丈夫かなぁ?」
「大丈夫大丈夫!さ、飲もうぜ。」
 そう言って缶を早速開けようとする天龍を那珂は一旦止める。

「待った待った。後ろに五月雨ちゃんたちが寝てるの。飲むんだったら誰も居ないところに行こ!」
 天龍と五十鈴はそれに頷き、そうっと今の部屋を出て行った。