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同調率99%の少女(3) - 鎮守府Aの物語

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 軽巡級の1匹が夕立めがけて突進してくる。
 今まで戦った駆逐艦級とは体の大きさが異なっていたため夕立は一瞬腰が引きかけたが、相手をよく見てかわした。突進してきた軽巡級が通り過ぎたのを時雨と那珂は確認してその個体に少し近寄って互いの単装砲と連装砲で狙う。鋼鉄のように硬い鱗がカツンカツンと砲弾を弾く音を響かせる。普通に砲撃したのではほとんどダメージを与えられそうにない個体だ。

「夕立ちゃん、雷撃を低めにお願い!」
 那珂が指示を与える。
「低めってどういうことぉ?あたしよくわかってないっぽい〜!」
「夕立ちゃんの装備してる魚雷発射管なら、足はちょっと濡れるかもだけど、しゃがんで発射管を海面ギリギリにして撃つの。こうすることでエネルギー弾の魚雷はほとんど海中に潜らずに進むから相手を狙いやすくなるはず。
 こういう撃ち方は夕立ちゃんや時雨ちゃん、村雨ちゃんしかできないからお願い!」
「わかった。やってみるー!」

 那珂の指示通り、夕立はふとももに装着している魚雷発射管を前方に向けつつしゃがむ。しゃがみすぎると艤装の浮力が効かない体勢になってしまうため片膝立ちが限界だ。立たせてるほうの足を伸ばして斜めになるようにし( /z のような体勢)、伸ばした方の足の魚雷発射管から魚雷を発射した。

 夕立が発射した魚雷は那珂のもくろみどおり、海面に非常に近い浅さの海中をさきほどの軽巡級めがけて進んだ。海中に深く沈むタイムラグがない分、スピードを出して軽巡級がそれに気づいてかわすよりも早く命中し大爆発を起こした。なお浅めで撃っていたため、爆発時におこる水しぶきは軽くて大量のしぶきが深海凄艦の方向に巻き起こっていた。
 その軽巡級のバラバラになった破片を確認すると、3人は那珂の周辺をうろうろしていた軽巡級にターゲットを切り替えた。

 五月雨たちも軽巡級の装甲に苦戦していた。しかし硬いところばかり思われた皮膚の隙間に柔らかい部分があるのを発見したのでそこを集中的に狙ってもだえ苦しませて弱らせたあと、五十鈴と村雨のW雷撃で無事に仕留めていた。

 一方で隣艦隊のほうの戦況は駆逐艦級は倒していたが、やはり相当硬い重巡級と軽巡級に苦戦していた。新手と彼女らが戦っている数合わせて、残り5体。重巡級x2, 軽巡級x3。


 そのとき、戦闘海域に雨が降り始めた。