もしも獅子尾エンドだったら (6)
「すずめちゃん…なぜにそんなに真っ赤に…」
「はっ、もしや、あのネクタイは…?」
ニヤニヤニヤニヤ…
亀と鶴が顔を近づけて笑っていた。
「白状するよねぇ?!」
「あれは…私が…あげました…」
2人の迫力に、すずめは思わず
ペロッと言ってしまった。
「「マ・ジ・で~~!」」
「何その話!知らなかった!」
「え?え?どゆこと?
もしかして先生とすずめちゃん、
付き合って…?」
「あーーーーーっ!」
「何よ、カメ。おっきい声出して。」
「前にすずめちゃん、フラれたって言って
実家帰ってたことあったじゃん!
あの時の相手って、もしかして…」
「「獅子尾先生?!」」
「う…うん。」
すずめが真っ赤になって頷くと、
鶴と亀の興奮は冷めやらなかった。
「マジで?何その展開!マジヤバ!」
「えっじゃあ、今も両想い?
1回別れたけど寄りを戻したってこと?!」
「そ、そーなりますかね…」
キャーーー!
2人は人目もはばからず大騒ぎした。
「あっでも、内緒にしててね。」
「わーかってるってぇ!」
「でもあの獅子尾先生の相手が
まさかすずめちゃんとはねぇ!」
「だからシーッて!」
「あ…」
「うちら、すずめちゃんが
話してくれて嬉しいよ。」
「うん。私も2人に言えて嬉しい。
隠さないといけないことだったから。
それでおじさんにも反対されて…」
「ずっと辛い恋をしてたんだね…」
2人がホロリと泣き出した。
「えっ、や、でもみんながいたし。うん。」
「嬉しいこと言ってくれる~。」
そう言ってオイオイと3人で泣いて、
結局バレンタインのチョコは買えず終いだった。
作品名:もしも獅子尾エンドだったら (6) 作家名:りんりん