機動戦士ガンダムRSD 第6話 世界の終わる時
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地球に住む一般コーディネイターは、宇宙で自分たちの現状を打破しようと必死に戦っている軍人たちがいるとは、つい知らずいつもと変わらない質素な暮らしをしていた。
しかし兵器開発会社や軍人たちは、今度こそナチュラルに勝つためのシナリオを必死になって考えていた。
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マーネリー軍曹は、ア・バオア・クーの下士官室で1人で提出用の書類を作っていた。
提出日は、近いもののもうすぐ終わるのでラストスパートをかけていた。
「ちょっといいかな?」
そこにシグマン少佐が現れた。
「シグマン、良いわよ」
2人っきりの時は、お互い名前で呼び合おうと約束していた。
「今忙しいか?」
シグマン少佐は、机の上のノートパソコンを見て仕事が忙しいのではないかと思った。
「大丈夫です。
でも提出日が近い書類を作ってるので少し待っていてくれませんか?
もうすぐ終わるので」
マーネリー軍曹は、今すぐにでもシグマン少佐と話をしたかったが書類の製作を終わらすのを優先した。
「分かった」
シグマン少佐は、しばらく待つことにした。
「ありがとう」
マーネリー軍曹は、そういうと作業を再開した。
「終わりました」
マーネリー軍曹は、そういうと伸びをした。
「はい、お疲れ」
シグマン少佐は、そういうとマーネリー軍曹に飲み物を渡した。
「じゃあ、提出してきます」
マーネリー軍曹は、そういうとノートパソコンからデータディスクを取り出した。
「待ってくれ。
それを提出したら俺の部屋に来てくれないか?」
シグマン少佐は、マーネリー軍曹にお願いした。
「はい、それは構いませんが」
マーネリー軍曹は、少し恥ずかしそうに了承した。
「それじゃあよろしく」
シグマン少佐は、そういうと下士官室を後にした。
マーネリー軍曹は、データディスクを提出しに行った。
提出し終わるとマーネリー軍曹は、シグマン少佐の部屋に行った。
「シグマン、お待たせ」
マーネリー軍曹は、シグマン少佐の部屋に入った。
シグマン少佐は、なぜか緊張していた。
「こんなところで話なんてどうしたんですか?」
マーネリー軍曹も期待を持ちつつ平常心を装った。
「通路でや皆がいるところで話すのは、適してないから」
シグマン少佐は、重い口をあけそんなことを言った。
「そうですか」
マーネリー軍曹は、これからする話の内容に興味を持った。
「最近俺も忙しかったから2人で話す機会もなかったしまたいつ話せるかわからない。
だから今話せるうちに世間話でもしようかなと思って」
すなわちシグマン少佐は、恋人と2人っきりで話がしたかっただけであった。
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アメノミハシラ付近では、大小さまざまな閃光が発していた。
1機のガイヤス・ギヤは、レール・キャノンに装備している6連ミサイルを発射しバルカン砲で破壊し爆煙を作った。
その爆煙の中から1機のゲイツ性能向上型をビームライフルを撃ち撃墜した。
ガイヤス・ギヤは、爆煙から出るとビームライフルをマウントしビームサーベルを持った。
敵は、青色ガンダムを先頭にゲイツ性能向上型5機がらせん状を描きながら接近してきた。
「ガンダムは、ガンダムじゃなくても撃墜できることを証明してやる」
ジャンヌ・ダルク所属のベン・スラー大尉がそういうと青色ガンダムは、腹部ビーム砲を撃ってきたがガイヤス・ギヤは回避した。
直後ガイヤス・ギヤは、青色ガンダムに頭部バルカン砲を撃ったがビームランスを回転させ弾を弾いた。
刹那背後に回ったゲイツ性能向上型に蹴られた。
ベン大尉は、背後の敵機に気付き振り向きざまにゲイツ性能向上型をビームサーベルで貫こうとしたが回避された。
そして背後から青色ザクが大型ビームトマホークを振りかざしてきた。
振り向きざまに2機は、つばぜり合いになったがガイヤス・ギヤが押し負け吹き飛ばされた。
ゲイツ性能向上型のインコムもどきが無数に襲ってきたが何とか回避した。
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サトー少佐は、哨戒行為を繰り返すユーピテル分隊に攻撃目標を定めた。
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近くにいたカレン中尉もそれに気づいた。
カレン中尉は、接近するゲイツ性能向上型にビームライフルを撃ったが回避されたが右足の破壊に成功した。
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「急げ。
多くの詳細情報を入手するんだ」
遊撃艦隊中隊長は、部下たちに命令した。
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ガイヤス・ギヤと緑色ガンダムは、8の字機動で切り合った。
そして何度かの切り合いでつばぜり合いになった。
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ガンダムサイガーMk-2は、合体換装型ガンダムにカスタム・ビームザンバーで切りつけていた。
合体換装型ガンダムは、ガンダムサイガー改の気迫ある攻撃に押し負け回避ばかりしていた。
黒い変形型ガンダムは、背部ビーム砲を1機のガイヤス・ギヤに撃ちながら追撃していた。
するとガイヤス・ギヤは、逃げるのを止め背部ビーム砲をシールドで受け止めビームライフルで反撃した。
黒い変形型ガンダムもシールドで防ごうとしたが出力が高くバランスを崩した。
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1機のガイヤス・ギヤは、1機のゲイツ性能向上型の右足にビームライフルを命中させるとバランスを崩したところに2発目を腹部に命中させ撃墜した。
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遊撃艦隊がアメノミハシラを哨戒しようとした。
その時アメノミハシラの港口から戦闘機型のモビルアーマーが次々に出てきてその後ろからは母艦と思われるオーブ戦艦も現れた。
あろうことかさらに黒色ガンダム、青色ガンダムと赤色ガンダムも発進した。
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それは、リーンホースJr.でも確認できた。
「アメノミハシラよりオーブ軍可変型モビルスーツのムラサメを確認。
さらに3機のガンダムの出撃を確認。
そのうち1機は、プトレマイオスで確認した黒色ガンダムです」
ヘルマン中尉の報告にブリッジの皆が戦慄した。
その黒色ガンダムとは、ヤキン・ドゥーエ戦役時にα艦隊がプトレマイオスを攻略時に現れたガンダムである。
このガンダムは、非常に強くサイジョウ元帥でさえ一騎打ちで苦戦するほどだった。
そこに前任の副隊長が自らの命と引き換えに隙を作りこのガンダムを撃墜し何とかプトレマイオス基地を攻略できた経緯がある。
サオトメの異動もこの犠牲によるものだった。
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動揺は、α艦隊のパイロットたちにも伝わった。
「バカな?
あれは、撃墜したはずじゃ」
「生き返ったのか?」
パイロットたちは、恐怖に支配されていた。
「おびえるな」
その時サオトメの一喝する声が機体内に響いた。
「あれは、亡霊じゃない。
実体を持った人間が乗ってる。
あれの供養は、俺に任せてお前たちは新手の対応をしろ」
サオトメの言葉にパイロットたちは、おびえる人間から国民を守る軍人に戻れた。
「了解」
ガイヤス・ギヤ隊は、ムラサメ部隊に向かった。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第6話 世界の終わる時 作家名:久世秀一