機動戦士ガンダムRSD 第6話 世界の終わる時
「え?
何の話?」
ウォーレン中尉は、話について行ってなかった。
「それじゃあやってみます」
ケイト中尉は、集中力を高めた。
「やってみる?」
状況をのみ込めてないウォーレン中尉は、置いてけぼりだった。
ケイト中尉は、おとなしい子を実演してみたが想像以上に似合っておらずウォーレン中尉は開いた口がふさがらなかった。
※
α艦隊も帰艦信号を撃った。
「限界高度か」
1人のマン・マシーンパイロットがぼやいた。
※
サトー機のディスプレイに艦の動きが報告された。
「イズモが艦主砲を撃ちながら共に降下する?」
サトー少佐は、驚いた。
※
ガイヤス・ギヤ隊は、次々に帰艦していった。
しかしガンダムサイガーは、単体で大気圏突入能力を持っているためそのまま戦闘を続行しようとしていた。
皆は、2人に敬礼していた。
※
イズモは、単艦で敵艦隊に接近していた。
※
ガンダムサイガーMk-2は、モビルアーマー形態のムラサメ小隊のビームライフル攻撃を後退しながら回避していた。
※
「総員に告ぐ。
本艦は、モビルスーツ収容後大気圏突入ギリギリの時間まで敵艦隊と砲撃戦を行う」
イズモでは、副艦長が艦内放送でこの後の行動を通達した。
乗員は、皆驚いていた。
「各員マニュアルを参照。
迅速なる行動を期待する」
決断した艦長は、自分の判断が間違っていたのではないかと今になって疑念がわいた。
※
マユ少尉は、帰還命令が出たにもかかわらずインパルスガンダムがまだ帰艦しようとしないことに気付いた。
よく見るとインパルスガンダムは、高エネルギービームライフルで2機のガンダムサイガーに攻撃をしていた。
「何をやってるの?
帰還命令が出たでしょう。
通信も入ったはずです」
マユ少尉は、正気かと思い叫んだ。
「解ってる。
お前は、早く戻れ」
しかしシン中尉は、ほっておいてくれと言った。
「地球に落ちますよ。
良いですか?」
いくらフォースシルエットのスラスターが高出力とはいえ大気圏離脱能力は、ない。
地球の引力につかまったら最後大気圏に突入してしまう。
その場合のコックピット内の環境は、フリーダムガンダムなどと異なり安全とは言えない。
「ここでやつらを見逃せばまた俺たちみたいに悲しむ人々が出てくる。
もうこの悲劇を繰り返したくないんだ」
シン中尉がそういうと攻撃にマユ少尉のスラッシュザクファントムが加わった。
その行為にシン中尉が驚いた。
「でもお兄ちゃんが死んじゃったら私が悲しむんだからね」
シン中尉は、マユ少尉にそういわれて照れた。
※
残ったサトー小隊は、すさまじい気迫でガンダムサイガー2機に迫った。
「これ以上は、やらせない」
サトー小隊は、得意の接近戦に持ち込もうと考えた。
※
「しつこいな」
サオトメは、そういうとカスタム・ビームザンバーを抜刀するとゲイツ性能向上型に接近した。
ガンダムサイガー改も同様にカスタム・ビームザンバーを抜刀した。
すると1機のゲイツ性能向上型がビームライフルで攻撃してきたのでメガビームシールドで防いだ。
緑色ガンダムがガンダムサイガーMk-2にミサイルランチャーを撃ったがメガビームライフルで反撃しながら回避した。
ガンダムサイガー改は、1機のモビルアーマー形態のムラサメの上部ビーム砲の攻撃をやはりメガビームライフルを撃ちながら回避していた。
1機の左腕を失ったゲイツ性能向上型がガンダムサイガーMk-2に接近してきた。
「我が娘の嘆きを鎮めるためにもお前たちは、ここで死ね」
パイロットは、鬼気迫る想いでガンダムサイガーMk-2に切りかかったもののカスタム・ビームザンバーが腹部を真っ二つに切るのが速かった。
「娘?」
サオトメは、敵パイロットが何を言わんとしてるのか分からなかった。
「戦没者か」
しかしサイジョウ元帥は、パイロットが何を言わんとしてることがなんとなくわかった。
ゲイツ性能向上型の指揮官機は、ビームサーベルでガンダムサイガー改に切りかかったがメガビームシールドで防がれた。
「戦場で無惨に散った命の嘆きを忘れ駆逐すべき者の下で生きていけるか」
サオトメとサイジョウ元帥は、パイロットの憎しみを感じた。
「貴様らのせいでナチュラルが勝ち世界は、変わってしまった」
サオトメは、モビルアーマー形態のムラサメ小隊が攻撃してきたのでそちらに攻撃目標を移した。
さらにミサイルを撃ってきたのでメガビームシールドを展開して防ぎながらメガビームライフルで反撃した。
2回撃ったが回避された。
今度は、上部ビーム砲を撃ってきたのでビームシールドで防いだ。
1機にメガビームシールドを展開したまま突っ込み機体を損傷させ操縦不能に陥らせた。
他の機体は、証拠隠滅のためかミサイル攻撃でアメノミハシラを攻撃した。
「とうとう証拠隠滅にはかったか」
サオトメは、苦しい表情をした。
もし証拠が隠滅されれば敵の正体が分からない。
ゲイツ性能向上型の指揮官機とガンダムサイガー改は、一度距離を取った。
「何故気付かないか」
敵パイロットがそういうとゲイツ性能向上型は、再びガンダムサイガー改に切りかかった。
しかしメガビームシールドで防いだ。
「この世界にとってパトリック・ザラの執った道こそが唯一正しきものと」
サイジョウ元帥は、この手の話を戦中から聞いており正直聞き飽きていた。
サオトメは、生き残っていたモビルアーマー形態のムラサメ小隊の1機の左翼をメガビームライフルで破壊した。
「こっちは、お前たちと共に死ぬつもりはないんでね」
それに気づいた小隊で唯一残ったモビルアーマー形態のムラサメがガンダムサイガーMk-2に上部ビーム砲で反撃した。
ガンダムサイガー改は、ゲイツ性能向上型の指揮官機を弾き飛ばすと腹部から上下真っ二つにカスタム・ビームザンバーで切り撃墜した。
それに気づいたゲイツ性能向上型の生き残り機は、ガンダムサイガーMk-2に切りかかった。
しかしサオトメは、ガンダムサイガーMk-2の両手にカスタム・ビームザンバーを持たせるとゲイツ性能向上型が接近し切りかかってきたので上昇し回避し背後に回った。
そして右手に持っていたカスタム・ビームザンバーで腹部から上下真っ二つにカスタム・ビームザンバーで切り撃墜した。
それを見ていた合体換装型ガンダムがビームサーベルを持ち接近してきた。
ガンダムサイガーMk-2は、振り向きざまに左手に持っていたカスタム・ビームザンバーで合体換装型ガンダムの右腕を切り蹴った。
「あの機体は、換装型ガンダムと違って大気圏突入能力があるのか?」
サオトメは、合体換装型ガンダムが自分の考えている以上の汎用性を持つ機体かもしれないと考えぞっとした。
作品名:機動戦士ガンダムRSD 第6話 世界の終わる時 作家名:久世秀一