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諭吉の恋

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「おじさん。」

「お、すずめ。」

「足りない材料、これでいい?」

「あ、そうそう。悪かったね。ありがとう。
 一葉さん、こっちが姪のすずめです。
 あとこちらは、すずめの友人のゆゆかちゃん。」

「よろしくお願いします。」


早速諭吉の料理教室が始まった。

定員4名だが、今日はすずめと一葉だけだったので、
急遽すずめがゆゆかも誘ったのだ。

「一葉さん、お料理習って
 誰かのために作ったりするんですか?」

「いえ///、今1人暮らしだし、
 いつもは自分用に適当に作るだけなので。
 だからなかなか上手にならなくて。
 でも相手いないけど、花嫁修業的なことも
 一応しとかないとなぁと思いまして。」

「えっ、一葉さん、独身?
 じゃあ、諭吉さんとかどうですか?
 面倒見よくてご飯も美味しくて
 オススメですよ!」

「えっ…」

「こ、こら、ゆゆかちゃん!///
 お客さんを困らせないで。」

「え、だって諭吉さん、もういい歳なのに。
 この子が馬村くんと結婚しちゃったら
 家で一人になって寂しいですよ?」

「えっ、すずめ、馬村くんと
 結婚の話がでてるの?!」

「出てない、出てない。」

ゆゆかのフリに、慌ててすずめは
頭を横に振った。

「ふふ。諭吉さん、お父さんみたい。
 ホント。ゆゆかさんが推薦するのも
 わかりますよ。
 諭吉さんが旦那さんだったら
 自分ががんばらなくても
 美味しいご飯食べれますしね。」

「それはもう!」

すずめがもう一押しした。

「すずめ!お前はいい加減、料理の腕あげないと
 馬村くんに愛想つかされるぞ。」

諭吉は真っ赤になって
すずめに話題を振ったので、
すずめは、ヤブヘビと言わんばかりに
青ざめた。

「すみません…2人がいらんことを。
 気をつかって合わせなくていいですよ。」

諭吉は恥ずかしそうに照れながら、
一葉に、すずめの戯れ言の謝罪をした。

それから、ご飯を作りながら、

すずめが高校のときから
諭吉が面倒を見てること、

すずめの親は海外に行っていたこと、

すずめの彼はイケメンなのに
なぜすずめがいいかわからない、
ということ(3人ともがそう思っていた)、

などを話して、一葉はそれに対して
ケタケタと明るく笑って応えていた。

ようやく料理ができ、実食しようかという頃、
馬村からすずめにメールがきた。

今日は早く仕事があがったので
こっちに来るとのことだった。

「わあ!すずめさんの彼氏さんに会えますね。」

「びっくりするほど男前ですよ。」

「そうなんですか。」

そう言ってる間に、カランカランと音がして、

「ちは。」と馬村がカフェに入ってきた。

「あ、えーと、その…馬村です///」

自分の彼氏を紹介するということに慣れておらず、
すずめは真っ赤になっていた。

「なんなの、その紹介の仕方。」

ゆゆかのツッコミも久しぶりだ。

馬村も紹介され慣れておらず、
顔を赤くしながらちょっと固まっていた。

「こんにちは。福岡一葉です。」

すずめと馬村のぎこちなさに、
一葉はクスクス笑いながら、挨拶をした。

「えっ、福岡?」「?はい。」

「俺、熊本諭吉…」「えっ。」

諭吉と一葉は、顔を見合わせて
プッと吹き出し、大笑いした。

「今度は九州つながりですか。」

「不思議ですね。」

諭吉と一葉が盛り上がっているところで、
ゆゆかがすずめをつついて促した。

「あっ、おじさん。
 これ、馬村に食べさすから
 持ってっていいかな?
 ゆゆかちゃんのぶんも。」

「えっ、みんなでここで食べればいいじゃないか。」

「いや、その、そうだ、久しぶりだから
 積もる話もあるし!
 そう!これ、タッパー入れて持ってくね。」

アセアセとすずめは用意した。

「積もる話?そう?別にいいけど…」

3人でカフェを後にしながら、
「積もる話ってなんだよ。」
「えっ、と、なんだっけ?」
「…バカね…」
ボソボソと言い合っていた。

「ね?男前でしょう?」

3人を見送ると、間を持たすように
諭吉は一葉に言った。

「ホントですね。シュッとしてて
 最近よく見るモデルみたい。」

「あれですずめにベタ惚れなんですよ。
 さあ、せっかくだから食べますか。
 二人で食事になってすみません。」

「え、嬉しいですよ。
 すずめさんの彼氏さんとはタイプが違いますけど、
 諭吉さんもダンディーで男前じゃないですか。」

「ダッ///?!
 そんなの言われたの初めてです…」

「そうなんですか?
 あっ、これ美味しいですねぇ。
 こんなにフワフワにできたの初めて。」

2人で食事をする時間が幸せで、
諭吉は饒舌になっていた。

料理がどんなに楽しいか、

いつもお客さんに喜ぶ顔が見れるのが
嬉しいということ、

すずめは何でも美味しそうに食べるので
いつも作りすぎてしまうこと、

カフェを開くことになったいきさつなど、

今まで誰にも話したことのないようなことを
出会って間もない一葉に話していることが、
諭吉は我ながらビックリだった。

一葉はうんうんと、
諭吉の話を頷きながら全部聞き、
いつの間にかもうすぐ夜の開店時間が迫っていた。

「あっ、えっ、もうこんな時間。
 すみません、お客さんに話聞いてもらうなんて。
 お時間予定よりだいぶオーバーしましたね。」

「いえ、諭吉さんの話、楽しかったので
 あっという間に時間過ぎましたね。
 カフェバーのお仕事も頑張ってください。
 今日はありがとうございました。」

2人でバタバタと後片付けをした後、
そう言ってニッコリと一葉は帰っていった。

作品名:諭吉の恋 作家名:りんりん