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機動戦士ガンダムRSD 第7話 混迷の大地

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 ニール少尉は、ハリダ軍曹が思い出している景色を想像した。
「そうです。
懐かしいな」
 ハリダ軍曹は、想い出に浸っている。
「それは、楽しい思い出なのか?」
 ニール少尉は、そろそろ本題に入ろうと考えていた。
彼女と2人っきりになったのは、愚痴を聞くためであり想い出話を聞くためではない。
「ごめんない。
ついついこの景色を見たら想い出があふれてきてしまって」
 ハリダ軍曹は、そういいながらなんだか辛そうな顔をした。
「辛い話は、相手から切りだすのが普通だか何分こちらも時間が迫っていて」
 ニール少尉は、申し訳なさそうに言った。
「そのカーニバルでお父さんにシュクルダールを買ってもらったんです。
でも当時の私は、うまく食べられなくて」
 ハリダ軍曹は、再びうれしそうに話した。
「飴細工だからべたべたになるのか」
 ニール少尉は、当時のハリダ軍曹の惨状を想像して微笑んだ。
「せっかくのかわいい洋服が台無しでした」
 ハリダ軍曹は、うれしそうに話していたためこれも違うとニール少尉は判断した。
「それは、いい思い出だな」
 ニール少尉は、素直にそう思った。
「やっぱりそう思います?」
 ハリダ軍曹が確認した。
「ああ」
 ニール少尉は、力強く答えた。
直後華やかな空気が一変し沈黙が支配する重々しい空気になった。
「私は、お父さんもお母さんも大好き」
 その均衡を破ったのは、ハリダ軍曹だった。
「ハリダ軍曹」
 ニール少尉は、やっと愚痴が始まるのだと身構えた。
「だから再婚には、絶対反対」
 ハリダ軍曹の父親は、戦没したコロニー陸軍の将官である。
ニール少尉は、黙って話を聞いていた。
「これってわがままですか?」
 ハリダ軍曹は、悲しそうに質問した。
「俺には、わからない」
 ニール少尉は、悩みのスケールが大きすぎて何も言えなかった。
「そうですよね」
 ハリダ軍曹は、作り笑いをしていった。
ニール少尉には、ハリダ軍曹の作り笑いが痛々しく見えた。
その時ニール少尉の部隊を徴集する艦内放送が流れた。
「もう時間だ。
俺は、行くよ」
 ニール少尉は、部屋を出ようと考えた。
「そうですね」
 ハリダ軍曹も異論は、なかった。
「遅刻したら後が大変だからな」
 ニール少尉は、遅刻したときのことを考えて恐ろしくなった。
「はい」
 2人は、部屋を出た。

             ※

 ミネルバは、無事大気圏突入を成功させた。
「艦長、空力制御が可能になりました」
 マリク軍曹がタリア艦長に報告した。
「主翼展開。
操艦慌てるな」
 タリア艦長は、マリク軍曹に落ち着いて操艦するように命令した。
「主翼展開します。
大気圏内推力へ」
 マリク軍曹の復唱でミネルバは、主翼を展開した。
「通信、センサーの状況は?」
 タリア艦長は、メイリン曹長に質問した。
「駄目です。
Nジャマーの影響で電波が使えません」
 メイリン曹長は、通信とセンサー状態を報告し絶望し頭を下げた。
「レーザーでも熱センサーでもいいわ。
インパルスとザクを探して」
 タリア艦長は、ありとあらゆる手でインパルスとザクを探すように命令した。
その命令にメイリン曹長が驚いた。
「彼等も無事に降下していると?」
 アーサー副艦長が確認に質問した。
メイリン曹長は、それを聞いて頭を上げた。
「確かにザクの方には、単体での大気圏突入能力はないわ。
でも信じてみたいわ」
 タリア艦長は、希望を捨てることはしなかった。

              ※

 ア・バオア・クーでは、シグマン少佐が任務時間になったためハイマン軍曹が見送った。
しかしハイマン軍曹は、シグマン少佐についてきた。
シグマン少佐は、ハイマン軍曹になぜついてくるか尋ねた。
「シグマン少佐と別れるのがとてもつらいからです」
 ハイマン軍曹は、悲しそうに言った。
その瞬間シグマン少佐は、ハイマン軍曹がとても愛おしく見えて思わず抱きしめたくなった。
「冗談です。
それじゃあ今度こそ行ってらっしゃい」
 ハイマン軍曹は、シグマン少佐を見送った。
シグマン少佐は、戸惑っていた。
「頑張ってください」
 ハイマン軍曹は、シグマン少佐と別れた。
シグマン少佐は、港の方へ向かった。
(もう少しで抱きしめそうになったな)
 シグマン少佐は、先のハイマン軍曹の姿を思い出しニヤニヤしてしていた。
(良い彼女をもらったな)
 シグマン少佐は、世界で一番の幸せ者は自分ではないかとしばし錯覚していた。

               ※

 インパルスガンダムは、フォースシルエットのスラスターを海面に向けザクファントムを抱きしめる形で落下していた。
「やめて。
いくらフォースシルエットのスラスターでも2機分の落下エネルギーは、止められないわ」
 マユ少尉は、自分を見捨てて兄だけは助かってほしいと願っていた。
「どうしてお前は、いつもそんなことばかり言うんだ」
 シンとしては、もっと兄を信用して甘えてほしかった。
「じゃあなんて言えばいいんの」
 マユは、めんどくさそうに質問した。
「『私を助けろ、バカ兄貴』とか」
 シンは、たとえを言った。
「次からそういおうかしら」
 マユは、いつもの兄弟に戻ることができシンをからかった。
「ただのたとえだ」
 シンも内心いつもの兄弟に戻ることができ喜んでいた。

                ※

 ミネルバも2機に気付いた。
「センサーに反応。
7時の方向。
距離400」
 バート軍曹が報告した。
その報告にメイリン曹長は、思わず立ち上がった。
「こ、これは」
 バート軍曹は、詳細情報を報告しようとしたが言葉にならなかった。
「光学映像出せる?」
 タリア艦長は、聞くよりも見た方がいいと判断した。
「はい、待って下さい」
 メイリン曹長は、席に座りモニターに映像を映した。
映像には、インパルスガンダムとザクファントムの2機が無事なことが映し出されていた。
そのためブリッジにいた皆は、歓喜に沸いた。
「ザクも無事だ」
 アーサー副艦長もザクファントムの無事に喜んだ。
「シン」
 メイリン曹長は、無事な2機を見て安堵した。
「アーサー、発光信号で合図を」
 タリア艦長がアーサー副艦長に命令した。
「マリク、艦を寄せて。
早く捕まえないとあれじゃいづれ2機とも海面に激突よ」
 タリア艦長は、2機がちゃんと着艦するまで気を抜かないようしていた。
ミネルバは、発光信号を撃った。

                ※

 それは、シン中尉とマユ少尉も気付いた。
シン中尉は、残った推進剤を全て使い切ってミネルバに寄せ着艦した。

                ※

 それは、ミネルバも確認した。
「インパルス、ザク着艦」
 メイリン曹長が報告した。

                ※

 サウス大尉は、書類の紙で指を切ってしまったため医務室に来た。
そこでは、学生服を着たケイト中尉がいた。
聞けばケイト中尉の軍服にほつれがあったためサリー軍曹に直してもらっているらしい。
しかし肝心のサリー軍曹は、見当たらなかった。
「1人でできなかったからって他の人に手伝いに行っます。