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機動戦士ガンダムRSD 第7話 混迷の大地

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そろそろ戻ってくると思います」
 ケイト中尉は、事の経緯を話した。
「そうか、俺は先に戻るとするよ」
 サウス大尉は、自室に戻ろうとした。
しかしケイト中尉は、不満そうだった。
「でもお前は、これから着替えるんだろ?」
 サウス大尉は、あきれながらこれからのケイト中尉の行動を言った。
「それもそうですね」
 ケイト中尉は、他人事のように言った。
「変態扱いされたくないからな」
 サウス大尉は、セクハラ疑惑をかけられたくなかった。
「別にみててもいいんですけど」
 ケイト中尉の発言にサウス大尉は、驚いた。
「踊り子さんに触れなければ」
 ケイト中尉は、甘い声色で言った。
「誰が踊り子だよ」
 サウス大尉は、あきれ半分に言った。
ケイト中尉は、サウス大尉の突っ込みに笑った。
「それじゃあな」
 サウス大尉は、今度こそ医務室を出た。
「先輩、今日は楽しかったです。
またここで密会しましょ」
 サウス大尉は、背後でケイト中尉がとんでもない発言をしていたが無視した。
(何が『またここで密会しましょ』だよ。
医務室なんて縁がない方がいいぜ)
 それでもサウス大尉は、心の中で愚痴ってた。
(でも軍施設の医務室に学生服っていうのも斬新だったな。
女性には、悪いが癒しには効果的かもしれないな)
 サウス大尉は、よこしまなことを考えていた。

                 ※

 ミネルバは、着水しようとしていた。
「迎え角良好。
フラットダウン。
推定海面風速入力。
着水チェックリスト1番から24番までグリーン。
グランドエフェクトがシミュレーション値を超えています」
 マリク軍曹が現在の状況を報告した。
ミネルバは、想定速度を超えて海面に接近していた。
「カバーして」
 タリア艦長は、最後まで着水の衝撃を和らげるように命令すると艦内電話を取った。
「警報。
総員着水の衝撃に備えよ」
 総員に着水への衝撃に備えるように命令した。
ミネルバは、艦尾から着水した。
ブリッジの皆は、歯を食いしばって着水の衝撃に耐えていた。
パイロットたちは、待機室で冷静に着水の衝撃に耐えていた。
 ミネルバは、無事着水した。
「着水完了。
警報を解除。
現在全区画浸水は、認められないが今後も警戒を要する。
ダメージコントロール要員は、下部区画へ」
 アーサー副艦長が浸水に警戒するように命令した。
メイリン曹長は、ほっとしていた。
 整備兵とパイロットたちは、久々の地球の海を肌で感じていた。
「やっぱり地球は、いいな」
 整備兵のヨウラン・ケント兵長が地球の空気を肺に取り入れるとそんなことを言った。
「俺たちは、太平洋って海に降りたんだろ?
やっぱりでかいな」
 同じく整備兵のヴィーノ・デュプレ兵長が久しぶりに見る海に興奮していた。

                  ※

 ア・バオア・クーの廊下にてシグマン少佐は、ハイマン軍曹に呼ばれた。
「私は、今シグマン少佐に伝えたいことがあるんです」
 ハイマン軍曹は、改まってシグマン少佐に言った。
シグマン少佐は、ハイマン軍曹が言いたいことに見当がつかなかった。
しかしそれを言うには、とてつもない勇気がいるのかハイマン軍曹は黙ってしまってしまった。
しばらく2人は、沈黙した。
「私ね」
 しかしとうとう勇気を振り絞ったハイマン軍曹がしゃべり始めた。
シグマン少佐は、それを黙って聞いた。
「私は、シグマン少佐のことが好きです」
 それは、ハイマン軍曹からの改めての告白だった。
シグマン少佐は、ハイマン軍曹に改めて告白され幸せな気分になった。
「友人、相棒、上司部下。
かつての私たちの関係を表す言葉は、いっぱいありましが今は恋人です。
でももうそういう距離でも我慢できないんです。
私は、誰よりもシグマン少佐の近くにいたいんです
それなりに長い時間を一緒に過ごしました」
 ハイマン軍曹は、苦しみを吐くように言った。
「訓練期間からの付き合いだからな」
 シグマン少佐は、訓練期間のことを走馬灯に思い出していた。
「そんな毎日が続く中で恋が芽生えて2年前に告白されてとてもうれしかったです。
でも今は、また違う気持ちが芽生えてきたんです」
 ハイマン軍曹は、自分の心中を語った。
「違う気持ち?」
 シグマン少佐は、ハイマン軍曹が何を言っているのかわからなかった。
「はい」
 ハイマン軍曹は、短く答えた。
「私は、いつもシグマン少佐にリードされていると思っていました」
 ハイマン軍曹は、どちらが主導権を握っているかを言った。
「そうだな」
 それは、シグマン少佐も同じだった。
「でもそれは、ちょっと前までの話です」
 ハイマン軍曹の発言にシグマン少佐は、驚いた。
「いつの間にかシグマン少佐と一緒のレールを走りたいと思っていたんです」
 ハイマン軍曹の発言にシグマン少佐は、うすうす感づきた。
「時々困った顔して文句を言われますけどどこか楽しそうなので私はそんなシグマン少佐の困った顔がたまに見たくなってまた困らす」
 ハイマン軍曹は、自分の行動原理を言った。
「堂々巡りだな」
 シグマン少佐は、苦笑しながら言った。
「そうですね。
だけどそうやって1つ1つ思いを積み重ねたからこの思いに届いた」
 シグマン少佐は、小さくうなずいた。
「私は、シグマン少佐悪いところを100個言えます。
でも良いところは、101個言えます」
 ハイマン軍曹の告白にシグマン少佐は、驚きうれしくなった。
ハイマン軍曹は、照れて少し黙った。
「それでは、ダメですか?」
 ハイマン軍曹は、不安と期待を込めて質問した。
シグマン少佐は、しばらく黙っていたが突然笑い始めた。
「何でですか?」
 ハイマン軍曹は、怒った。
「俺は、格好悪いな」
 シグマン少佐は、苦笑しながら言った。
「今頃気づいたんですか」
 ハイマン軍曹は、ため息をついて言った。
「女性に似合わないことを言わせちゃった」
 シグマン少佐は、ハイマン曹長に詫びた。
「本当です」
 ハイマン軍曹は、頬を膨らませた。
「こんな俺でいいならずっと側にいるよ」
 シグマン少佐の言葉にハイマン曹長は、驚いた。
「ずっとはっきりしないままだったけど今は、自信を持って言える」
 シグマン少佐が言おうとしている言葉にハイマン曹長は、期待した。
「俺は、いつまでもマーネリーと一緒にいたい。
いいかな?」
 シグマン少佐の質問には、2つの意味があった。
1つは、文字通り一緒にいていいかと2つめはこの言い方であっているかを知りたかった。
「それじゃあ一言足りない」
 ハイマン曹長は、バッサリ切った。
「分かってる。
でもそれを言うには、アイテムが足りない」
 しかしシグマン少佐は、それを想定していた。
「じゃあそのアイテムが手に入ったら言ってもらうんだから」
 ハイマン曹長は、その時まで我慢しようと思いとどめた。
代わりに2人は、抱きしめあった。
「誰にも渡したくない」
 シグマン少佐は、代わりに自分の思いをぶつけた。
ハイマン曹長は、うれしくて泣いてしまった。
「泣くなよ」
 シグマン少佐もそれに気づいた。
「泣いてない」
 ハイマン曹長は、見栄を張って嘘をついた。