淡い、淡い
「はー、流石イギリスさん。いいお店をお知りですね。(料理出来ないのに。)」
「まあな!大英帝国様だからな!(フランスの受け入りなんて言えねぇ・・・)」
水が入ったグラス越しに日本の顔をうかがう。
それは歪んでいて。
夢を思い出した。
「イギリスさん」
「・・ん?」
「もう戻りましょう。会議の続きをしなくては。」
もうそんな時間か。
もっと日本といたかった。
話しをして、わらって。
楽しかったあの頃に戻りたい。
好きだ。日本が。心臓が壊れてしまうほどに
「・・・・・好きだ。」
「イギリスさん?」
気づいた時には、その言葉は口から零れていた。
好きだ、たった3文字の言葉。
思わず口元を手で押さえる。
言うつもりなんてなかった。
「なんでもない」
そう一言残してイギリスは駆け出した。
レジで会計を済ませると、そのまま逃げるように走った。
格好悪い。
走っている途中、息が切れて苦しくなった。
まるで海の中。
目の前が真っ暗だ。
苦しい。苦しい。酸素が足りない。
いっそこのまま溺れてしまいたい。