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ホワイトベースの猫

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ジオンの攻撃に、フラウ達が逃げ込んでいた防空壕が持たなくなっていて、
「僕の父が、連邦の軍人です。軍艦に避難できるようにお願いしてきます。ここはこれ以上もたない」
そう言って、アムロが出て行ってしまった。
「アムロ、大丈夫かしら」
心配するフラウに、
「ああ見えて、アムロ君はしっかりしている。きっとお父さんに私達の事を頼んでくれるだろう」
力強く父親が肩を叩いてくれたので、
「そうね」
安心する。
祖父が、
「アムロ君が私達の事を頼んでくれるだろうが、彼の言う通りこの防空壕ももう崩れそうだ。危険だが、生き埋めになるよりはましだ。みんな,いったん外に出よう」
普段とは違った力強い声で、その場の全員に指示を出す。
フラウの祖父の言う通りここに留まっていても生き埋めの可能性は高いと判断たのか。
「そうだな・・」
同意の声が上がった。
「私と数人の者が先に地上に出て、周りを監視しておこう」
フラウの父が言うと
「俺達が一緒に行きます」
数人の青年が声をあげた。
「その後は、グループを作って地上に来てくれ、フラウと母さんは、おばあさんとおじいさんを頼むよ」
そう言って、数人の青年と共に扉を開けて出て行ってしまう。
その間も、ジオンの攻撃はやまず・・頭上から砂混じりの石が降ってきて居て、この防空壕がつぶれるのも時間の問題と思われたが、
「一度に出るとジオンに見つかる可能性や、全員が無事に出られない可能性がある。息子の言うとおりに、グループを作って出よう」
フラウの祖父がそう言って、複数の家族で1グループを作って、順番に地上にあげていく。
「おじいちゃん・・すごい」
感心するフラウに、
「ボウ家の男はね。普段、頼りなくても、いざという時にちゃんと私達家族を守ってくれる人たちなのよ」
誇らしげに、フラウを抱きながら、祖母の笑顔が記憶に残っている。

作品名:ホワイトベースの猫 作家名:かえで