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同調率99%の少女(4) - 鎮守府Aの物語

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 三千花が改めて問題点を確認する。

「うん。艦娘になるには同調のチェックで合格しなきゃいけないの。なりたいって思ってもなれるわけじゃないし、その逆だってありうるんだ。だから、数撃ちゃ当たるやり方で、なるべく多くの人に興味をもってもらって、とにかく大勢の人を集めなきゃダメだと思う。」

「なんか……聞く限りだと艦娘になってくれる人集めのほうがめちゃくちゃ大変じゃないっすか?」
「うん。そうだと思うよ。」
 那美恵は三戸の感想に頷いた。

「相当運というか相性が良くないとってことですよね?」
「そーそー。あたしはほんっと運と相性がよかったってことなんだと思う。いわゆるラッキーガールってやつ?」

 和子の感想にも頷いて真面目に肯定する那美恵。最後におどけてポーズを取りながら言葉を締める。3人ともサラリとスルーしたことに那美恵は少しだけグサッとキた。
 コホン、と咳払いをして那美恵はお願いの言葉を口にする。

「無理強いはしないよ。でもどっちかだけでも協力してくれたら、嬉しいな。」

 腕を組みながら数秒間誰にも聞こえないくらいの唸り声を発して考えこむ三千花。顔を上げて那美恵の方をまっすぐ見た。その表情は、那美恵がこれまで何度も見てきた表情だった。

「仕方ないわね。親友の頼みじゃあ無視なんてできないわよ。それに面白そうだし。」
 那美恵のやることに度々振り回されてきた三千花だったが、そのたびに彼女のやることに間違いはなくむしろ正しく、そしておもしろい経験ができていたことを思い出したのだ。
 今回も口では渋りながらもやる気を見せて彼女に協力することにした。

「みっちゃん〜!」
 ぱぁ〜っと顔をさらに明るくして素直な喜びを見せる那美恵。


 那美恵の話を聞いて少し考え込んでいた三戸がふと提案してきた。
「あのー会長。その試験って鎮守府でやらないといけないんすか?」
「およ?どーいうこと?」
 三戸の質問の意図がつかめず聞き返す那美恵。三戸は那美恵の反応を見た後説明し始める。

「えーっとっすね。たとえばその鎮守府ってところの人に学校に出張してもらって設備とか持ってきてもらって、興味ある生徒に受けてもらうとか?」
 妙なところで機転の利く考えを発する三戸。それに賛同したのは和子だ。
「あ、それいいと思う。もしそれができるなら、チラシ作って学内に貼れば自然と人集まるかもしれないし。会長、いかがですか?私も三戸君の案に乗ろうと思うんですが。」
 チラリと三戸の方を見て頷いた後、賛同の意を表した。

 那美恵もその案は頷いた。しかしそれと同時に気になる問題があった。
「確かにその案いいね〜。だけどそれができるかどうかはあたしじゃ判断つかないなぁ。今度鎮守府行った時に提督に聞いてみる。」

 三戸の最初の案は保留になった。そのため三戸はさらに別のことを提案した。
「……となるとあとやれることは、俺たちで先にチラシでも作っておきましょうか?」
 それには副会長の三千花が冷静に答えた。
「いえ、まだしないほうがいいと思う。どう転ぶかわからないし、私達今なみえから艦娘の話パッと聞いただけだもの。もうちょっと情報ほしいわね。」
「あー確かにそうっすね。」
 三千花が書記の三戸の先走ろうとする案に待ったをかけ、自身らの持つ現状の問題点を挙げる。三戸はそのことに納得した様子を見せた。