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同調率99%の少女(4) - 鎮守府Aの物語

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--- 6 見学に向けて




 次の日、学校は時間割が少ない日のため早く学校を出ることができた。前日に提督にメールをしたところによると、その日は夕方までは鎮守府におりそれ以降は会社に戻るという。那美恵は授業が終わると生徒会室への顔出しは適当に済ませ、都合に間に合うようにすぐに鎮守府へと向かった。

 那美恵が鎮守府に到着すると五月雨たちがすでに来ていた。彼女たちは本館の玄関の付近の掃除をしていた。学校の体操着やジャージを着て掃除に取り組んでいる。
 那美恵に気づいた五月雨と時雨が離れたところから会釈をした。

「あ、五月雨ちゃん。提督はまだいる?」
那美恵が尋ねると五月雨はすぐに軽やかに返事をした。
「はい。いますよ。でももうすぐ会社に戻られるそうです。何かご用事ですか?」
「うん、ちょっとね。ありがと〜」

 玄関付近の掃除をしている五月雨たちの間を通り過ぎ、那美恵は本館に入って脇目もふらずに提督のいる執務室へと向かった。執務室に入ると、提督はすでに出る準備をしていた。
「あ、提督!もう出ちゃうの!?」
「あぁ、ゴメンな。話あるんだっけ?」
「うん。あのね。今度学校の生徒会の人を鎮守府に招待したいんだけどいいかな?見学させたいの。」

 提督は会社へ戻る身支度を整えながら那美恵の相談に答える。
「あぁ、いいよ。一般人の見学とかそのあたりは五月雨に任せてるから彼女に話をつけておいてくれ。日にちは……工事の打ち合わせとかもあってバッティングするとまずいから、こっちで候補日を決めてあとで知らせるけどそれでいいか?」
「うん。そのあたりは適当にお願い。あ、あとね?」
「すまん!もう出ないと本当に会社に間に合わないんだ。続きはまた今度な!」

 那美恵はさらにお願いをしようとしたが、提督は会社へ戻る時間がかなり差し迫っている様子で、那美恵の言葉を遮って急ぎ足で執務室から出て行った。

「会社との兼務って大変そ〜。ま、あたしたち学生もそーだけど……」
 那美恵は提督が閉め忘れた執務室のドアをぼんやりと眺めつつ、ぽつりとつぶやいた。