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同調率99%の少女(4) - 鎮守府Aの物語

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--- 3 帰宅



 鎮守府に戻る最中よりも人が少なくなった車中、わずかな道のりだが提督はお互いの眠気防止に那美恵に戻った那珂、凛花に戻った五十鈴と雑談しながら二人を始発の電車が始まる時間に間に合うように駅まで送っていった。

 那美恵は多少遠慮したのか、駅につく手前で提督に声をかけた。
「提督、あたしはここまででいいよ。もうそろそろ始発始まるし、家まであと少しだし。凛花ちゃんを送ってあげて。」
 提督はミラー越しに那美恵を見て言葉を返す。
「そうか?だったら光主さんこそ家まで送ってあげるのに。」
 提督の案に凛花が乗った。
「そうよ。私こそ電車で行ったほうが確実だもの。あなたこそ提督に送ってもらいなさいよ。」

「ていうか提督に自宅の場所教えてないし。知られたらはずいなぁ〜ってw」
 わざとらしく照れたあと那美恵は反論した。
「あんたね……そんなこと言ったら私だって。あっ、でも知られて嫌とかそういうわけじゃなくて、あの…お部屋片付けてないから恥ずかしいってだけで……!」
 那美恵の思いをふくらませて受け取って展開する凛花はだいぶ勘違い気味の恥ずかしさを示す。
 面白いくらいに真っ赤になって慌てる五十鈴を見て那珂はクスクス笑う。提督は頭に?を浮かべてポカーンと見ている。

「凛花ちゃ〜ん。まさか提督を家まであげること考えてたのぉ〜?大胆な女子高生じゃのう〜!」
「!! そ、そんなことあるわけないじゃない!!」
 キャイキャイとお互いを茶化しあってはしゃぐ二人を見て、女子高生に囲まれるおっさんのいづらさを味わいつつ提督は二人に催促をした。

「おーい二人とも。ホントにどうするんだ?」

 うーんうーんと唸り声を上げて悩む那美恵。そして出した答えは。
「じゃあ間をとって、二人とも電車で帰ろー。提督だって今日会社あるんでしょ?」
「残念でした。俺今日は午前休もらってるから、半日は自由なんだ。」
「う〜ずるいぞ〜社会人〜」
「私達も気軽に休みたい……」
 二人がふざけてうらやましがって文句を言っていると提督は車を止めた。駅前のロータリーに着いたのだ。

「ほらほら。さっさと電車乗れって。間に合わなくなるぞ?」
 提督は手を払って早く改札を通るよう促す。
 五十鈴も車を降りて、那珂と一緒に朝の駅の改札口へ向かう。その最中、那珂は提督の方を振り向いて叫んだ。

「そーだ提督。あとで鎮守府行った時、話したいことがあるから時間ちょうだい〜」
「あぁ、わかった。別に無理して今日でなくても明日でもいいぞ?」
「はーい。その時は連絡しまーす。」
 提督は二人に手を振り、那珂と五十鈴は提督に向けてお辞儀をしてお互い別れた。

 そして那珂こと那美恵は自分の家のあるとなり町の駅で降り、五十鈴こと凛花は自宅のある駅まで電車を乗り継ぐ。
 那美恵は学校のある駅を過ぎ、自宅のある街の駅で降りることにした。
「それじゃあ凛花ちゃん。またね。」
「えぇ。お疲れ様。」
「おつかれ〜。うっかり寝過ごすなよ〜。」

 扉が閉まる直前に凛花を茶化す那美恵。電車の中にいる凛花は手でシッシッと言うかのように払って返事とした。
 二人とも自宅に戻り、遅刻ギリギリだったが無事に登校できた。