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主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~

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第63話『思い出のペンダント』

前書き

サトシがバトルタワーでリラに会った日の夜の話です。



ようやく、本作品の原点であるサトヒカを出すことが出来た…





 サトシがバトルタワーを訪問した日の夜。サトシをはじめ、仲間達は一同にサトシ宅のリビングにて今後の事について話し合っていた。


アイリス「次はどこを旅しよっかなぁ?」


タケシ「ここからだと、北に向かえばヒカリの故郷のシンオウ地方、西に向かえばジョウト地方を旅することが出来るぞ」


ベル「シンオウ地方って、ヒカリちゃんの故郷だったわよね?」


ヒカリ「えぇ、あたしの故郷はマサゴタウン。そこにはナナカマド研究所があって、ポッチャマもそこで貰ったのよ」


ポッチャマ「ポッチャマ!」


ヒカリ「他にも一度は寄ってみたいっていうような所がいっぱいあるわ。サトシとタケシとは一緒に回ったけれど、前から他のみんなとも一緒に行きたいと思っていたの」


 自らの故郷であるシンオウ地方について語るヒカリはとても活き活きしていた。ヒカリの話を聞いて、ヒカリ以外の面々(特にイッシュ組)はシンオウ地方へ行きたいという気持ちが強まったようだ。


ハルカ「シンオウもいいところだけど、ジョウト地方を回るのが先よ」


タケシ「そろそろ『ワールド・チャンピオン・リーグ』と『ワールド・チャンピオン・フェスティバル』の第2回予選選考会が開催される時期だったよな? 場所は確か、シロガネタウン、ジョウトリーグの会場だったところだ」


サトシ「シロガネタウンにジョウトリーグ、懐かしいなぁ…」


 『ワールド・チャンピオン・リーグ』と『ワールド・チャンピオン・フェスティバル』の第2回予選選考会がジョウト地方のシロガネタウンで開催されると知ると、サトシはシロガネタウンでかつて開催され自らも出場したジョウトリーグのことを思い出す。ここではサトシとシゲルとの対決が実現し、死闘の末サトシが勝利をもぎ取った。後にこれがシゲルのトレーナーとして最後のライバルバトルとなったために、とても印象深く残っている。


アイリス「それなら、次の旅で回るのはジョウト地方に決定ね♪」


ヒカリ「そこであたし達が世界への第一歩が刻み込まれるのね」


カスミ「ポケヴェールである程度だけど、そう簡単に越えられるレベルじゃないっていうのは分かったわ」


サトシ「だったら誰よりももっと強くなって、負けないようにしないとな。もちろん、みんなにも負けてられないぜ!」


ピカチュウ「ピッカァ!」


アイリス「その言葉そっくりそのまま返してあげるわ。アタシ達もサトシ達に負けてられない!」


キバゴ「キィバキバァ!」


ヒカリ「競い合うのはバトルだけじゃないわ。コンテストだって同じ」


ポッチャマ「ポッチャ!」


ハルカ「そうね。わたし達もうかうかしていられないわ」


カスミ「あたしも、水ポケモンの真髄をコンテストで魅せないと」


ベル「みんなすごい気合い。アタシも頑張らなくちゃ!」


デント「ん〜、なかなかエキサイティングなテイストになってきたね」


タケシ「だな」


マサト「これは見ごたえがありそうだよ」


リュウカ「みなさん、頑張ってください」


 次の目的地がジョウト地方に決定したと同時に、二つの世界大会に向けて意気込みを新たにした一同。それは、バトルとコンテストの垣根を越えた強大なものである。その後サトシ達は各人寝間着に着替え、次の日に備えて眠りに就く。各人深い眠りに就いた真夜中、


ヒカリ「ん〜、夜風が気持ちいいわ〜」


ポッチャマ「ポチャア〜」


 途中で目が覚めたのか、ヒカリがポッチャマとともに外へ出て心地よく流れる夜風に当たりながら涼んでいた。


ヒカリ「……」


ポッチャマ「ポチャ?」


 ヒカリが今握っているのは、ある一つのペンダント。そのペンダントにはヒカリとアヤコ、そしてもう一人アヤコと同じくらいの年齢の男が一緒に移った写真がはめ込まれている。とても大事そうにそのペンダントを握っているヒカリを、ポッチャマは不思議そうに見つめる。


サトシ「あれ? ヒカリ、起きてたのか?」


ヒカリ「えっ、あっ、うん。ちょっと目が覚めちゃってね。サトシも?」


サトシ「まぁな。隣良いか? ピカチュウも一緒だけど」


ピカチュウ「ピィカピカ」


ヒカリ「えぇ、良いわよ」


ポッチャマ「ポチャ」


 そこへサトシがやって来て、ヒカリの右隣へと移動する。


サトシ「ん? そのペンダント、初めて見るな」


 ヒカリの右隣に移動したサトシは、ヒカリの握っているペンダントの存在に気付く。サトシにペンダントの事を触れられたヒカリは、淡々とペンダントについて語り始める。


ヒカリ「これは、あたしのパパから貰った大事なペンダントなの」


サトシ「てことはヒカリとアヤコさんの間にいる男の人は、ヒカリのパパか」


ヒカリ「うん、パパはコンテスト界でその名を轟かせるほどの有名なトップ・コーディネーターだったんだ。ママもパパとは何度か対戦した頃があるって言っていたけれど、一度も敵わなかったんですって」


サトシ「へぇ〜、そんなに凄いトップ・コーディネーターだったのか? それに、ヒカリはパパとママが二人ともトップ・コーディネーターだったとは驚いたぜ」


ヒカリ「えへへ、あたしにとっては親としてもコーディネーターとしても二人は常に憧れの存在で自慢の両親よ」


 ヒカリ曰く、彼女の父親はシンオウのみならず全国でその名を轟かせるほどの凄腕トップ・コーディネーターでコンテストの審査員ならびに観客の目を常に魅了させて、タイトルを総ナメにしていたとのこと。さらに、その後の語りで世界大会にも出場し、世界的に有名なトップ・コーディネーターにまで登り詰めたとのことである。ヒカリから彼女の父親の事を聞いて、サトシはとても驚いた表情を浮かべる。


サトシ「今はどうしているんだ?」


ヒカリ「うん、パパはあたしが幼稚園の年中の頃に突然いなくなったの。ママはパパへの信頼感からか至って冷静だったけれど、当時のあたしはパパがいなくなった不安でいっぱいだったわ」


サトシ「そっか、何だか悪い事聞いちゃったな」


ヒカリ「ううん、むしろ聞いてくれてありがとう。今はどこにいるのか分からないけれど、パパのことが大好きなのに変わりはないわ」


 ヒカリの父親は、ヒカリが幼稚園年中の頃に突然失踪したとのこと。当時と比べて自らの父親がいなくなったことへの不安は今ではほとんど薄れているが、それでも多少はあるようである。ただ、ヒカリの自らの父親に対する信頼感は今も昔も変わりはないようである。


ヒカリ「ところで、サトシのパパさんはどうしているの? あたしのパパのこと話したら、気になっちゃって…」


 今度は逆に、ヒカリがサトシの父親について聞く。サトシに自分の父親について話しているうちに、サトシの父親について聞きたくなったようだ。