主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~
第65話『ポケヴェール学生達の休日』
前書き
カントー編にてとりわけ大きく取り上げられた、ポケヴェール女学院の休日の様子を除いていきます。庶民的な感覚で彼女たちの事を見ることが出来ますよ。
さて、彼女たちはたまの休日をどのように過ごしているのやら…
ここはポケヴェール女学院。世界各地からポケモンに関する巧みな知識と技能を会得するために多くの女子が通う、タマムシシティの超有名私立学校である。この日は休講日で、各人それぞれの休日を過ごしていたところだった。
アリア「さて、皆様本日はどこへお出かけいたしましょうか?」
ドリス「そうね。今日はヤマブキシティに行かない? ここ最近行っていなかったし、あたし達の行きつけのアクセサリーショップにも行ってみたいしね」
カトリーナ「それに食料や日用品も少なくなってきましたので、ついでに買い出しにも行っておかなければいけませんね」
エルヴィーラ「…今日は安売りのチラシが入ってた」
学院の敷地内にあるポケヴェール学生寮では、食堂にてアリア、ドリス、カトリーナ、エルヴィーラが集まり、今日の予定について話し合っていた。本日は近所のスーパーマーケットで食料品と日用品の買い出しと、その後ヤマブキシティでシティウォークを楽しむようだ。ポケヴェール学生寮では、自立した生活を送ることが出来るようにするという方針の下、寮生の食料や日用雑貨等は当番制で寮生自らが調達することになっている。ポケヴェールが女子校ということもあって、花嫁修業の一環で炊事洗濯等についても寮生自らが当番制で行うこととなっている。
ドリス「そうと決まれば、早速出発ね!」
カトリーナ「今すぐ部屋に戻り次第、支度してまいりますわ」
今日の予定について話し終えた後、四人はそれぞれの部屋へと戻って身支度を整える。そして、ポケヴェール女学院から少し歩いた場所にあるスーパーマーケットへと足を運ぶ。裕福な家庭で育ったお嬢様も多く通っているポケヴェール女学院の学生が一般市民御用達の小売店に徒歩で出向くというのはかなりアンバランスな光景だが、これも学院の方針である。
ドリス「このスーパー、つい最近できたばかりだけど、結構便利よね」
アリア「品ぞろえも豊富ですし、何よりも安く商品が購入できるのが良いですわね」
エルヴィーラ「…プライベートで行っても飽きない場所」
カトリーナ「思わず買い込み過ぎてしまいそうですわ」
店の前に到着した面々は、各人このようなことを口に出す。その後、彼女達は当初の予定である食料品及び日用雑貨等の買い出しを果たすために、店内へと入っていく。
※ 店の建物については、コ○ト○を連想してもらえればと思っています。
ドリス「ふぅ〜、結構買い込み過ぎちゃったかしら?」
アリア「いいえ、いつも通りだと思いますわ。ドリスの大好物の『ミツハニーの歯にークッキー』も」
ドリス「えへへ、こっそり買いにいったつもりだったんだけどバレちゃった?」
エルヴィーラ「…ドリスがあのクッキーを買わないわけがない」
カトリーナ「えぇ、時間があればすぐに飛びついて召し上がりますものね。ドリス様の食欲は凄まじいものです」
ドリス「うぅ、否定したいけれど否定できない…」
アリア「とはいえ、ハニークッキーは私達も頂いているんですけれどね」
ドリス「あのミツハニーの蜂蜜のほのかな味わいが何とも言えないのよね〜」
購入した食料品の中で、『ミツハニーのハニークッキー』は寮生の間で大人気のようだ。このクッキーはシンオウ地方のある都市に本社を構える製菓会社が花形商品として一押しで売り込んでおり、ポケヴェールの学生にとどまらず全国的に愛されているお菓子である。食に関しては煩いドリスがここまで言うのだ。かなりの美味であるといえよう。
※ 当然ですが、『ミツハニーのハニークッキー』は架空のお菓子です。
アリア「たった今、学院の車を及びいたしました。食料と日用品は車で運搬してもらって、私達はたまの休日を過ごしましょう」
ドリス「ひと働きした後の息抜きね」
食料と日用雑貨はかなりの量を購入したので、女子四人が学生寮まで運ぶのは困難である。そこで、アリアは学院から運搬用の車を手配する。そして車が到着すると、購入品を次々に車の中へ運び込む。学生寮まで運搬する車を見送った後、アリア達はヤマブキシティのシティウォークを開始した。
ドリス「しばらく来てなかったけれど、随分新しい店も増えたんじゃない?」
アリア「ここはヤマブキシティでも全国有数のファッションストリート。老若男女問わず幅広い顧客層で年中賑わっており、ここでの出店を目指してデビューするデザイナーもいるとのことですわ。ちなみに、私の行きつけのポケモン専用アクセサリーショップもこのストリートの一角に出店しておりますわ」
只今、アリア達はヤマブキシティに入り、とあるファッション街を散策している。このファッション街は、服はもちろん、化粧品、アクセサリー、さらにはダンスレッスンの教室もいくつか点在しており、全国有数のものとなっている。アリア曰く、彼女御用達のショップもこのファッション街にあるとのことである。
カトリーナ「まさに流行の最先端を取り入れていると言っても過言ではありませんわ」
エルヴィーラ「…ファッションだけじゃない、気軽にティータイムが過ごせるカフェもある」
アリア「それではいくつか店を回りまして、時間になりましたらどこかのカフェでランチ、ティータイムといたしましょうか」
ドリス「そうね」
ポケヴェール学生の四人はしばらくファッション街を散策した後、正午近くに昼食とティータイムをとることとなった。彼女たちはいくつかのショップを回り、気に入ったものがあれば購入していく。特にアリアは、フォルムチェンジで色が変化するアクセサリーをかなり気に入り、それをポワルンに身に付けてあげたいと思ったとか…
カトリーナ「学業で多忙だった中、久々に楽しいひと時を過ごせましたわ」
エルヴィーラ「…たまには、こんな一日も悪くない」
アリア「あっという間でしたが、良い気分転換になりましたわ」
ドリス「こうして、この四人でランチタイムとティータイムを過ごせるのも貴重な時間だわ」
四人は一時足を止めて、ファッション街の一角にあるカフェに入り、そこで昼食とお茶を御馳走になっている。日頃の学業と世界大会に向けての特訓で疲れた心と身体を癒せる貴重な時間である。
ドリス「もうすぐ『ワールド・チャンピオン・リーグ』と『ワールド・チャンピオン・フェスティバル』の第二回予選選考会ね」
アリア「第二回は、ジョウト地方はシロガネタウン。ここはジョウトリーグの会場として知られている場所です」
カトリーナ「アリア様は、いつもそのノートパソコンを持ちあわせているのですね」
アリア「えぇ、ポケヴェールの広報担当としてリアルタイムでの情報収集は欠かせませんから。ノートパソコンは、私にとって必要なツールですわ」
作品名:主人公惣受け物語~アニポケ・カントー編~ 作家名:天の河